すでに業界的には知られているが、産経新聞社は半世紀以上にわたり発行してきた夕刊紙の「夕刊フジ」の休刊を正式に発表した。発表は公式サイトでは「夕刊フジ休刊のお知らせ」と題して、「産経新聞社は、発行するタ刊紙『夕刊フジ』を、2025(合和7)年1月31日発行(2月1日付)をもって休刊することを決定いたしました」と述べられた。
休刊理由はこれ以上の赤字出血を止めるためだが、公式サイト上のコメントは、以下のようになっている。
「デジタル端末の普及、コロナ禍に伴う帰宅時等の購読機会の減少、新聞用紙をはじめとする原材料費、輸送コストの上昇など、取り巻く環境は年々厳しさを増しました。経営合理化や経費の削減に取り組み、発行継続に向け努力を続けてまいりましたが、創刊55周年の節目に、夕刊紙としての一定の役割を終えた、という判断に至りました」
なお、夕刊フジのサイト「ZAK ZAK」も閉鎖される。
このニュースを伝える「Yahoo!ニュース」(オリコン提供)記事のコメント欄に、不破雷蔵氏は次のように、解説コメントを出している。
「夕刊の需要は主に「家庭配送向けとして朝刊とのセット販売」「勤労者の帰宅時に時間つぶし用」の2系列ですが、後者はスマホの普及で存在意義をほぼ失い、駅売店のスタンドの賑やかし以上の価値はほぼなくなっています。前者もまた日本新聞協会の公開値の限りでは朝刊とのセット部数は445万6199・夕刊単独部数は45万2592で、これは2001年当時の値の25%・25%にまで減少。 また新聞通信調査会の調査では2018年時点ですでに夕刊を読まない人は71.0%、2023年時点で月極で夕刊あるいはスポーツ紙を取っている人は3.8%のみ。 最近では7月18日に東京新聞が23区を除き夕刊休止を、8月23日には日経新聞が北九州、下関での夕刊休止を発表済み。今後も夕刊の休止は相次ぐことでしょう。」
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