カテゴリーアーカイブ 業界ニュース

25/01/21●米テレビ局、大量リストラ。ソーシャルネットワーク発展の影響

 アメリカの報道によると、CNNが近く近く数百人規模の従業員をレイオフするという。また、NBCテレビも数十人規模の人員削減を予定しているという。
 背景にあるのは、もちろん、ソーシャルネットワーク発展。CNBCの報道によると、アメリカでは従来のテレビ放送を見る人が減り、有料の動画配信サービスやソーシャルネットワークサイトでニュースを視聴する人が増えている。CNNは、人員削減を進める一方、成長分野と見込むデジタル関連の人材雇用やコンテンツ制作を強化するという。

25/01/21●性加害タレント中居正広が引退。フジテレビ、スポンサー離れで窮地が続く

 フジの女子アナに「性加害」をして、もみ消し示談をしたタレント中居正広(52)が、1月21日、ついに引退を表明した。すでに問題は、フジテレビのガバナンス、コンプライアンスの欠如に発展し、スポンサー離れ、株主激怒となったので、こうなるのは当然。
 この問題をめぐっては、かつて週刊誌をやって業界を深く知っているだけに、考えさせられることが多かった。
 しかし、それとは別に、子供の頃から、道徳、倫理、社会正義などなしの生活を送って来ると、結局こうなるのかと思った。松本人志にしても、中居にしても同じではないか。
 とくに中居は、藤沢のヤンキー少年で、明治中学、平塚学園、代々木高校(夜学、1年だけ)、ジャニーズ。ジャニーさんに弄られて人気タレントになったのだから、まともな感覚など持ちようがなかっただろう。

24/12/19●ソニーとKADOKAWAが資本業務提携契約を締結、筆頭株主に!

 かねてから伝えられていたソニーとKADOKAWAの合体が、当初はSONYによる買収とされていたが、資本業務提携で決着した。
 ソニーグループは12月19日、KADOKAWAと資本業務提携を交わしたことを発表。その要点は、KADOKAWAが2025年1月7日に実施する第三者割当増資で、ソニーが約500億円でKADOKAWAの新株式1205万4100株を取得する。これにより、ソニーは2021年2月に取得済みの株式とあわせて、KADOKAWAの約10%の株式を保有する筆頭株主となる。
 「資本業務提携を通じて、両社の保有するIP価値のグローバルでの最大化に向けた連携をさらに強化し、コンテンツ領域での共同出資の検討や、新たなクリエイターの共同発掘、両社のIPのさらなるメディアミックスの共同推進など、より幅広い、踏み込んだ協業を進める」
 とソニーは声明を出した。
 一方、KADOKAWA 取締役 代表執行役社長 CEO 夏野剛はこうコメントした。
「今回のソニーとの資本業務提携契約の締結を大変嬉しく思います。本提携により、当社のIP創出力がより一層強化されることに加え、グローバル展開にかかるソニーの支援を得ることでIPのメディアミックスの選択肢がさらに増えるとともに、世界中のより多くのユーザーにIPを届けることができるようになり、当社IPの価値最大化と中長期での企業価値向上に大きく寄与するものと確信しています。ソニーとの協業の取り組みが世界市場で大きな成果を上げられるよう、尽力してまいります」

24/12/05●「武器よさらば」「もうひとりの自分」などが著作権フリー(パブリックドメイン)に

 オンラインジャーナルの「The Public Domain Review」が、2025年1月1日に著作権の保護期間がパブリックドメイン(著作権フリー)になるコンテンツを特集している。
 今回フリーになるのは、日本、イギリス、ロシアなどの場合、著作物の保護期間が「著作者の死後70年」と定められているので、2025年1月1日を迎えた時点で1954年に死去した人の作品。また、ニュージーランドやアフリカ、アジアの多くの国では「著作者の死後50年」と定められているので、1974年に死去した人の作品。

 では、以下、主な文学作品を列記する。

◆自分ひとりの部屋
 1929年にヴァージニア・ウルフが出版した「A Room of One’s Own(自分ひとりの部屋)」は、16世紀~17世紀にかけての劇作家、ウィリアム・シェイクスピアの妹を題材とした小説。

◆もうひとりの自分
 グレアム・グリーンが21歳の時に著わした処女作「The Man Within(もうひとりの自分)」。裏切者から逃亡する青年アンドリュースと、彼をかくまう女性エリザベスとの物語。

◆武器よさらば 

 アーネスト・ヘミングウェイが1929年に出版した「A Farewell to Arms」(武器よさらば)。第一次世界大戦中の戦役中のアメリカ人駐在員とイギリス人看護師の恋愛を描いた出世作。

◆響きと怒り
 ウィリアム・フォークナーが1929年に出版した「The Sound and the Fury」(響きと怒り)。アメリカ南部の特権階級だったコンプソン家の没落について記された4部構成の小説。がノーベル文学賞を受賞する要因となりました。

◆マラコット深海

 コナン・ドイルの小説「The Maracot Deep」(マラコット深海)。大西洋の深海調査に出発し、その後消息を絶ったと思われていたストラッドフォード号とその乗組員が、かつて海中に没したアトランティスを発見するという短編小説。

24/12/03●2024年の流行語大賞「ふてほど」という馬鹿ばかしさ

 12月2日、「現代用語の基礎知識選 2024ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞に「ふてほど」が選ばれた。
この“衝撃的”な発表を受けて、SNSを中心に「聞いたことがない」「間違いではないのか」と困惑の声、疑問の声が蔓延した。
 「ふてほど」は、阿部サダヲ主演のTBSドラマ「不適切にもほどがある!」(1~3月放送)の略称だが、流行語というのには程遠い。ドラマは話題を呼んだが、「ふてほど」は言葉として定着しなかった。
 となると、授賞式に阿部サダヲを呼べるから、たったそれだけの理由で選んだとしか思えない。「裏金」では、誰も呼べない。年末のただのお遊びに過ぎないイベントか。

24/11/19●ソニーがKADOKAWを買収協議中であるとの報道

 ソニーがKADOKAWを買収に向け協議をしているとロイターが19日午後に報じ、一時、KADOKAWAの株価はストップ高になった。最近のKADOKAWAは、東京五輪汚職、下請け禁止法違反など不祥事続きだったので、この買収報道は好意的に受け止められ、「これで日本のアニメなどのコンテンツ事業は強化され、海外展開が拡大する」などのコメントがSNSに寄せられた。

 すでにソニーはクランチロールを買収し、日本アニメの海外配信事業を拡大しているので、ここにKADOKAWAのコンテンツが加わることになるのだろうか。また、ニコニコはどうなるのだろうか。懸念する声は、ソニーがコンテンツから日本のローカル色を検閲し、国際的に「無害」な仕様にする可能性が高いことだ。

24/10/28●いまさら書店を補助金で援護。あり得ない読売の世論調査記事

 昨日の読売新聞に『書店を国や自治体が支援することに「賛成」79%、書店の減少「不安」は63%…読売世論調査』と言う記事が載った。「秋の読書推進月間」にあわせた記事だが、時代錯誤もはなはだしい。なにしろ、論調として、消えゆく書店をなんとか助けようと言うものだからだ。
 まず、設問がおかしい。「支援することに賛成」の前に、「あなたが払う税金で」を入れなければ、本当の調査結果とは言えないからだ。
 記事には次のような一節がある。

《経産省が設置した大臣直属の「書店振興プロジェクトチーム」は関係省庁連絡会議を年内をめどに設置し、書店支援の取り組みを強化する。書店を文化の発信拠点と位置付け、本の流通が滞れば国家の存立基盤や競争力を左右する懸念があるとの判断からだ》

 政治家たちの「お花畑」思考には、本当に呆れる。「本の流通が滞れば国家の存立基盤や競争力を左右する懸念がある」とはいった何か?
 デジタル、ペーパーレス、カーボンニュートラル の時代に、紙の製造、流通、消費を支えるのは時代錯誤である。それに、特定の業界を税金で支援するのは、市場経済に反する。

24/10/22●朝日出版社で大騒動。創業者遺族と経営陣、労組が深刻な対立!

 すでに業界内では知られていたが、このほど、経営陣が声明を出し、それに合わせて朝日新聞が『朝日出版社「経営陣全員クビ」M&Aでトラブル、労組はスト権確立』という記事を出した。
 朝日出版社は、語学教材などで知られる中堅出版社だが、かつて宮沢りえのヌード写真集「Santa Fe」(篠山紀信撮影)を大ベストセラーにしたことがある。現在、従業員はアルバイトを含めて約70人で、売り上げは十数億円。多くの出版社同様、あまり芳しくない。
 そんな出版社が、なぜM&Aでトラブルに陥ったかというと、昨年、創業者の原雅久が87歳で死去し、株式の7割を妻が、3割を娘が受け継いだからだ。この2人の遺族、とくに娘は現社長である原氏のおいの就いた小川洋一郎氏と不仲で、株式相続とともに、それを手放すことにした。このことを、現社長と社員には全く知らせなかったため、トラブルが勃発したのである。
 結局、なんの話し合いもないまま、社長ほか役員6人が突如解雇され、トラブルは泥仕合になってしまった。いまのところ、解決策は見出せない。

24/10/01●「夕刊フジ」来年1月末で休刊。産経新聞社が正式発表

 すでに業界的には知られているが、産経新聞社は半世紀以上にわたり発行してきた夕刊紙の「夕刊フジ」の休刊を正式に発表した。発表は公式サイトでは「夕刊フジ休刊のお知らせ」と題して、「産経新聞社は、発行するタ刊紙『夕刊フジ』を、2025(合和7)年1月31日発行(2月1日付)をもって休刊することを決定いたしました」と述べられた。
 休刊理由はこれ以上の赤字出血を止めるためだが、公式サイト上のコメントは、以下のようになっている。
「デジタル端末の普及、コロナ禍に伴う帰宅時等の購読機会の減少、新聞用紙をはじめとする原材料費、輸送コストの上昇など、取り巻く環境は年々厳しさを増しました。経営合理化や経費の削減に取り組み、発行継続に向け努力を続けてまいりましたが、創刊55周年の節目に、夕刊紙としての一定の役割を終えた、という判断に至りました」
 なお、夕刊フジのサイト「ZAK ZAK」も閉鎖される。
 このニュースを伝える「Yahoo!ニュース」(オリコン提供)記事のコメント欄に、不破雷蔵氏は次のように、解説コメントを出している。

「夕刊の需要は主に「家庭配送向けとして朝刊とのセット販売」「勤労者の帰宅時に時間つぶし用」の2系列ですが、後者はスマホの普及で存在意義をほぼ失い、駅売店のスタンドの賑やかし以上の価値はほぼなくなっています。前者もまた日本新聞協会の公開値の限りでは朝刊とのセット部数は445万6199・夕刊単独部数は45万2592で、これは2001年当時の値の25%・25%にまで減少。 また新聞通信調査会の調査では2018年時点ですでに夕刊を読まない人は71.0%、2023年時点で月極で夕刊あるいはスポーツ紙を取っている人は3.8%のみ。 最近では7月18日に東京新聞が23区を除き夕刊休止を、8月23日には日経新聞が北九州、下関での夕刊休止を発表済み。今後も夕刊の休止は相次ぐことでしょう。」

24/09/09●出版不況で出版社の3割超が赤字という記事が!

 帝国バンクによる『人気雑誌も「休刊ラッシュ」の苦境 出版社の3割超が「赤字」過去20年で最大、出版不況で低迷脱せず 倒産・廃業も増加傾向続く』という記事が配信され、「Yahoo!ニュース」により、拡散された。
 その内容は、《2024年は有名雑誌の休刊・廃刊が相次いだ。月刊芸能誌『ポポロ』をはじめ、女性ファッション誌『JELLY』やアニメ声優誌『声優アニメディア』などが休刊を発表。日本の伝統文化や芸能関係の話題を世界に紹介する国内唯一の英文月刊誌『Eye-Ai』を発刊していたリバーフィールド社は、今年4月に破産となった》《2023年度における出版社の業績は「赤字」が36.2%を占め、過去20年で最大となったほか、減益を含めた「業績悪化」の出版社は6割を超えた。出版不況の中で、多くの出版社が苦境に立たされている》というもの。
 いまさらというもので、「出版不況」などという言葉を使っていること自体、時代とずれている。
 すでに出版不況の原因は明らかで、デジタルが紙を凌駕したことに尽きる。これはもはや止められない。ただ、紙への一定のマーケットはあるので、やらねばならないのは再販制度、委託販売という日本独特の流通の改革だ。
 売れなければ返品ができるなどいうのは、マーケットの原則に反している。本も多くの商品と同じように、直接買い取り販売にすべきだろう。そうすれば、不況などという話はなくなり、現状にあった出版ビジネスが成立する。