カテゴリーアーカイブ 業界ニュース

22/03/03●アマゾンがリアル書店を閉鎖、戦略見直しか。

 アマゾン・コムは、3月2日、リアル店舗の書店「アマゾン・ブックス」をすべて閉店することを公表した。2015年にシアトルで1号店をオープンし、その後、ニューヨーク、ロサンゼルスなどで展開してきたが、思ったほどの実績を上げられなかったためと思われる。

 リアル書店撤退と同時に、通販サイトで顧客の評価が4つ星以上の商品をそろえた「アマゾン・4スター」なども閉鎖するという。

 これで、アマゾンのリアル店舗は。2017年に買収したスーパーのホールフーズ、コンビニの「アマゾン・ゴー」などがメインになる。

22/02/25●電通「日本の広告費」インターネット広告費2兆7052億円で4マス超え

 電通は2月24日、日本の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2021年 日本の広告費」を発表した。それによると、総広告費は前年比110.4%増の6兆7998億円。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響で東日本大震災のあった2011年以来のマイナスとなった前年(総広告費6兆1594億円)から大きく回復し、通年で2桁成長(前年比110.4%)に回復した。

 ただし、媒体別に見ると、もっとも増加したのはインターネット広告費。前年比121.4%で2兆7052億円。総広告費からの構成比は39.8%となり、初めてマスコミ4媒体広告費を上回った。

「マスコミ4媒体由来のデジタル広告費」は、わずか3年で1000億円を超え。なかでも「テレビメディア関連動画広告」が、249億円(前年比146.5%)と大きく伸長した。また「物販系ECプラットフォーム広告費」も巣ごもり・在宅需要の拡大に伴い、1,631億円(前年比123.5%)となった。

22/02/22●講談社、大幅な増収増益決算。デジタル事業が急伸

 2月21日、講談社の第83期(2020.12.1~21.11.30)決算と役員人事が公表された。売上高は1707億7400万円(前年比17.8%増)、当期純利益155億5900万円(同43.0%増)で、増収増益の好決算となった。
 売上高の内訳は、「製品」662億8600万円(同4.4%増)、「事業収入」910億2800万円(同27.4%増)、「広告収入」70億4300万円(同27.6%増)、「その他」32億4300万円(同147.9%増)、「不動産収入」31億7300万円(前年と同じ)。

 「事業収入」の「デジタル関連収入」は704億円(同29.4%増)で、そのうちの電子書籍は690億円(同30.2%増)で、紙媒体の「製品」売上を初めて上回った。「デジタル関連収入」の多くは、コミックのデジタル移行が稼ぎ出したもので、この決算により、大手出版社(集英社、小学館、KADOKAWAなど)のビジネスがいまや紙でなくデジタル事業に移行していることがはっきりした。

 なお、「国内版権収入」は114億円、同38.9%増、「海外版権収入」は91億円、同4.2%増。

22/02/21●KADOKAWA、漫画・ラノベなど海外事業が好調で業績伸長

 日経新聞が「KADOKAWA、漫画・ラノベが海外事業けん引」と題して、KADOKAWAの海外事業(漫画、ライトノベル)が、想定を上回るレベルで伸長していることを報じた。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC0383Q0T00C22A2000000/
この記事によると、KADOKAWAの21年4~12月期の連結決算は、売上高が前年同期比3%増の1576億円、純利益は6%増の95億円。このうち、1年4~12月の出版事業の海外売上高は108億円で、収益認識に関する会計基準を適用していなかった20年4月~21年3月の92億円をすでに上回る水準になっているという。

 その原因は、北米、アジア圏での漫画やライトノベルの人気だが、その背景にはコロナ禍による巣ごもり需要もある。日経記事は、こう述べている。

「新型コロナウイルス禍による巣ごもり需要の盛り上がりで、米ネットフリックスなど世界的な動画配信プラットフォームを通じて、日本アニメを見る視聴者が増えた。海外のアニメファンが原作に関心を持つようになった。この影響で、ライトノベルなどの人気に火が付いた。」

22/02/04●日本出版者協議会がインボイス制度の中止要求

 以下は、共同通信の2月3日配信記事。物書き、フリーランスのライターにとって、受難の話だ。

《来年10月に導入される、事業者が消費税の納税額を正確に計算するための経理書類「インボイス(適格請求書)制度」を巡り、日本出版者協議会は3日、「活動に支障を来す」として中止を求める声明を発表した。

 協議会などによると、インボイスの導入後に出版社が従来通り、原稿料などを「仕入れ額」として税控除を受けるためには、発注先のフリーランスのライターや編集者に請求書を発行してもらう必要がある。だが売上高1千万円以下の免税事業者は請求書を発行できないため、出版社側が、免税事業者が多いフリーランスとの取引を敬遠する可能性もあるという。》

22/02/01●集英社、講談社、小学館、KADOKAWAがクラウドフレア社を提訴

 集英社、講談社、小学館、KADOKAWAは、アメリカのIT系企業クラウドフレア社に対し、海賊版コンテンツの公衆送信・複製の差し止めおよび損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に提起した。賠償請求額は一部請求として各社1作品、合計4作品の被害総額4億6000万円。

 クラウドフレア社は国際的に活動するコンテンツ配信ネットワーク(Contents delivery network、CDNと呼ばれる)事業者の1社。

 漫画の違法配信をめぐる“いたちごっこ”は、これまでずっと続いてきたが、その大元にあるのがCDN。現在、最大手の海賊版サイトはCDNのクラウドフレアと契約して、日本国内にある同社サーバーから配信している。月間3億回のアクセスを稼ぎ、「進撃の巨人」「ONE PIECE」などの人気作品から得られる収益を横取りしている。

 一般社団法人ABJが、アクセス数の多い上位10の海賊版サイトで違法に読まれた漫画の小売り額を試算した結果、その額は2021年の1年間だけで1兆円を超えていた。これは、本来なら著作権者、製作者に入らなければならない。これでは、漫画文化は衰退してしまう。

 そのため、出版4社は、顧問弁護団とともにクラウドフレアに対し、著作権侵害が明らかな9つの海賊版サイトを示したうえで、そのサイトが違法に蔵置している侵害コンテンツについて「同サーバーを介した公衆送信の停止」「同社が日本国内に有しているサーバーにおける一時的複製(キャッシュ)の停止」「違法であることが明らかな海賊版サイト運営者との契約解除」などを求めてきた。

 しかし、クラウドフレアはのらりくらり、メディアの取材に関しては「著作権侵害に直接的に関与していない。当社が問題の根源ではない」などと言う始末。堪忍袋の尾が切れたと言うべきだろう。

2022/01/28●2021 年の出版市場は紙が1.3%減 電子が 18.6%増 の1 兆 6742 億円で3 年連続のプラス

 出版科学研究所から2021年の出版市場 (推定販売金額)が発表された。それによると、紙+電子の出版市場規模は前年比 3.6%増の 1 兆 6742 億円と 3 年連続でプラス成長。電子出版が18.6%増と引き続き大きく伸長したことが大きく貢献した。出版市場全体における電子出版の占有率は、27.8%で、前年の 24.3%から 3.5 ポイントの上昇だ。

 その内訳は、電子コミックが20.3%増の 4114 億円、電子書籍が12.0%増の 449 億円、電子雑誌が10.1%減の 99 億円。電子コミックは『東京卍リベンジャーズ』(講談社)などの映像化作品のかヒットに加え、韓国発の縦スクロールコミックが大きく伸びた。電子市場におけるコミックの占有は 88.2%(前年より 1.2 ポイント増)と 9 割に迫り、書籍、雑誌は1割強にすぎない。

 一方、紙のほうは前年比1.3%減の 1 兆 2080 億円で、その内訳は、書籍が2.1%増の 6804 億 円、雑誌が5.4%減の 5276 億円。もはや紙雑誌は成立しなくなりつつある。

22/01/27●フリーランス 出版業界労組が報酬10%引き上げ求め初の要望へ

 今日のNHKニュースによると、このほど、フリーランスとして働くライターや編集者など200人余りでつくる労働組合「出版ネッツ」が、報酬の10%引き上げを求め、業界団体に初めて要望を行うことを決めたという。出版業界だけでなく、音楽や映像制作などほかの業種で働くフリーランスにも呼びかけるという。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220127/k10013451881000.html

 フリーランスといっても、非正規の一時雇い労働者と同じ。いくら働き方が多様化したとはいえ、待遇まで多様化はしていない。とくに出版界の場合、いまはウエブでの原稿制作まであり、昔よりはるかにハードになっている。

 NHKニュースが伝えた、いまのフリーランスの状況は、次のとおり。

《厚生労働省などによりますと、企業などから個人で仕事の発注を受け報酬を得ている人は2019年の時点でおよそ170万人に上るとされ、年々増えているとみられます。
 フリーランスは雇用契約を結んで働く労働者のように定期昇給やベースアップなどで収入が増えるということはなく、法律で定める最低賃金も適用されません。
 厚生労働省などが設けたフリーランスで働く人を対象にした相談窓口「フリーランス・トラブル110番」には去年11月末までの1年間に報酬の不払いや一方的な減額などの相談がおよそ4000件寄せられていて、政府も対策の強化を検討しています。》

22/01/21●2021年12月の出版界は前年比で10.2%減。今後も人口減で減少は続く

 2021年12月の書籍雑誌推定販売金額が公表された。それによると、販売額は1030億円で、前年比10.2%減。その内訳は、書籍が541億円で同2.0%減、雑誌が489億円で同17.8%減となっていて、相変わらず雑誌の落ち込みが激しい。
 雑誌の内訳をみると、月刊誌が427億円で同18.4%減、週刊誌が62億円で同14.0%減。どちらも、大幅に落ち込んでいる。その一つの原因は、昨年の12月に『鬼滅の刃』最終巻の初版395万部が発行され、『呪術廻戦』とともに、コミックが爆発に売れた反動である。

 12月の推計公表とともに、2021年通年の出版物推定販売金額も公表された。それによると、書籍が15年ぶりにプラスとなったこともあり、全体で1兆2079億円、前年比1.3%減。近年になく落ち込みが止まり、ぎりぎりのところで1兆2000万円台をキープした。とはいえ、書籍はかろうじてプラスになったものの、雑誌は5000億円を下回る寸前のところまできている。

 少子高齢化で人口減。毎年、約50万人の日本語人口が減っているのだから、売り上げは減るにきまっている。

22/01/19●講談社の女性誌「with」が 適時刊行に

 講談社は女性誌「with」を3月28日発売の5月号をもって適時刊行に移行することを発表した。女性誌もいまやウエブが中心で、紙で定期刊行する状況ではなくなっている。すでに講談社は「女性誌ネット」があり、今後はそのなかの「with online」を中核とし、従来の紙版に加えて「ユーザーのライフスタイルに寄り添ったコミュニティとサービスを付加した次世代の事業モデルを構築する」という。現在、「with online」は月間 1 億PV超で女性誌メディアとしては有力なメディアの1つ。

//20210705追加

「2008年」を境にして、日本のマス・メディア業界(新聞・テレビ・出版など)は、従来のままでは生き残れないような状況になってきました。

ウェブの進展により、ブロードキャスティングからネットワーキングへと、時代は大きく変わろうとしています。

そんな日本のマス・メディア業界の動向を見据えながら、出版業界を中心に、注目すべきニュースを選別して伝えていきます。