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21/06/23●集英社の女性誌『セブンティーン』と『マリソル』が終刊

●集英社の女性誌『セブンティーン』と『マリソル』が終刊

 集英社の女性誌『セブンティーン(SEVENTEEN)』と『マリソル(MARISOL)』が定期刊行を終えることが発表された。『セブンティーン』が9月1日発売の10月号、『マリソル』が10月7日発売の11月号を最後に終刊となる。かつて女性誌をやっていた身としては、感慨深いものがある。もはや、定期刊行物としての雑誌は成り立たなくなったなかで、女性誌は最後まで残ってきた。しかし、もう限界だろう。

 『セブンティーン』は1968年創刊。女子中高生向けの雑誌として、半世紀以上も続いてきた。終刊後は、8月に開設予定のウェブサイトに移行するが、不定期としてのプリント版も発行する予定という。

 一方の『マリソル』も、は、eコマースに特化したウエブメディアに生まれ変わるという。

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最新号

21/06/14●匿名ツイートの「米上院が『コロナはうそ』と発表」を新聞がファクトチェック

●匿名ツイートの「米上院が『コロナはうそ』と発表」を毎日新聞がファクトチェック 

 コロナ禍のさなか、陰謀論系のSNS投稿が拡散し、勢いを増している。そこで重要になるのが、ファクトチェックだが、毎日新聞は、米上院議員たちによる記者会見の動画に日本語で「米国上院は本日、『コロナはうそだ』と発表した」と解説した投稿を、虚偽と報道した。

 この動画投稿は、現在ものすごい勢いで拡散しているが、記者会見映像は実際のものだが、解説はデタラメ。「コロナはうそだ」に続き、「メディアは真実を隠蔽(いんぺい)している。ビッグファーマ、ビッグテック、ビッグメディア、WHO、その他の売国奴は全て責任を問われる。これが本当のBoomingニュースだ! みんな 気になったらシェアしてね! #WWG1WGA」などと続けており、明らかに見た人間を洗脳しようとしている。

21/06/03●違法サイト「漫画村」の運営・首謀者に有罪判決

●違法サイト「漫画村」の運営・首謀者に有罪判決

 海賊版サイト「漫画村」の運営者とされ著作権法違反(公衆送信権の侵害など)と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)に問われた住所不定、無職星野路実(ろみ)被告(29)に対し、福岡地裁は6月2日、懲役3年、罰金1000万円、追徴金約6257万円(求刑懲役4年6カ月、罰金1000万円、追徴金約6257万円)の判決を言い渡した。

  この判決で、「漫画村」をめぐる裁判はほぼ終了した。すでに、指示役や実行役の男女3人が有罪判決を受けており、星野被告は首謀者とされている。

 起訴状によると、星野被告は2017年5月、人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」と「キングダム」の画像データを漫画村に無断公開して著作権を侵害。16年12月~17年11月にサイトの広告収入として得た約6200万円を海外口座に送金させ、犯罪収益を隠したとされる。

 「漫画村」の裁判は決着したが、漫画やアニメなどを不正に複製し、無料で公開する「海賊版サイト」はいまも拡大しており、その被害が「過去最悪」の状況になっている。

21/05/27●アマゾンがMGM買収で映画配信強化

●アマゾンがMGM買収で映画配信強化

 米アマゾンは5月26日、映画製作大手メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)を買収すると発表した。債務を含めた買収総額は84億5000万ドル(約9200億円)で、アマゾンにとって、2017年に137億ドルで買収したホールフーズに次ぐ、過去2番目に大きなM&Aとなる。

 MGMは1924年設立。近年では「ロッキー」や「ロボコップ」などの映画や「ピンクパンサー」などのテレビ番組を手掛けている。過去にはソニーが出資し業務提携していたが、2010年に経営破綻。その後、ヘッジファンドのアンカレジ・キャピタル・グループなどが株式を保有してきた。

 ただし、この買収が独禁法に触れるかどうか、今後、議会や独禁当局の判断が必要になる。

*アマゾンのプレスリリース↓

https://press.aboutamazon.com/news-releases/news-release-details/amazon-and-mgm-have-signed-agreement-amazon-acquire-mgm

(表:日経新聞)
( 写真:ロイター )

21/05/27●朝日新聞が史上最大の赤字「コロナ禍」影響

●朝日新聞が史上最大の赤字「コロナ禍」影響

 朝日新聞社は、5月26日、2021年3月期連結決算を発表した。それによると、純損益が441億円の赤字(前期は106億円の黒字)で、これは1879年の創業以来で最大とのこと。売上高は、前期比16.9%減の2937億円。今回の決算は、新聞を中心としたメディア事業の赤字に加え、それを補完してきた不動産業でも赤字を出したことが、例年と異なっている。これに関して、朝日では「コロナ禍が影響した」と説明ししている。

 また、今回の赤字は、将来の利益を前提に税金の前払い分を資産計上している「繰り延べ税金資産」を取り崩したことも大きい。本業のもうけを示す営業損益も70億円の赤字(前期は23億円の黒字)だった。

21/05/18●AT&Tが傘下のワーナーとディスカバリーを統合

●AT&Tが傘下のワーナーとディスカバリーを統合

 アメリカでは、メディアの合従連衡が続いている。AT&Tは、17日、傘下のワーナーなどのメディア事業をディスカバリーと統合すると発表した。

 ディスカバリーは欧州でスポーツネットワーク「ユーロスポーツ」の他、数々の放送チャンネルを擁しており、AT&Tは統合によって世界的な足場を築こうという構想だ。AT&Tは、2018年にネットフリックスやウォルト・ディズニーに対抗するためにタイム・ワーナーを買収して、CNNなどを傘下に収めた。今回はそれに次ぐ買収で、動画配信サブスクリプションモデル事業を強化する意味合いを持つ。新会社の企業価値は1500億ドル(約16兆円)に上る。

21/05/15●バイデン大統領、トランプによるソーシャル企業保護制限の大統領令を取り消し

●バイデン大統領、トランプによるソーシャル企業保護制限の大統領令を取り消し

 バイデン大統領は、5月14日、トランプ前大統領が署名した、SNSなどオンラインプラットフォームのコンテンツにおける法的な保護を記した「通信品位法230条」の適用範囲を制限する大統領令を取り消した。

 この大統領令は、トランプが自身にアカウントを削除された腹いせにつくったもの。たとえば、ツイッターやフェイスブックなどが、公に表明しているポリシーに「沿わない」方法でユーザーからの投稿を修正または削除した場合、連邦政府がネット企業に対して責任を負わせることを可能とするもの。つまり、政府が意に沿わない企業を処罰できることになり、「言論の自由」の侵害であるとされてきた。そのため、昨年来、活動家やシンクタンクらがトランプ政権に対して訴訟を起こしている。バイデン大統領は、トランプ大統領が計画した「National Garden of American Heroes」(スティーブ・ジョブズ氏をはじめ244名の彫像が並べられる公園)の創設にもストップをかけた。

21/05/13●講談社など出版大手3社が丸紅と提携し書籍流通に参入

●講談社など出版大手3社が丸紅と提携し書籍流通に参入

 講談社、集英社、小学館は、書籍流通事業に共同して参入する。丸紅を加えた4社で年内に共同出資会社を設立する。取次を通す流通では、近年4割返品が常態化しロスが大きいため、POSシステムを駆使し、AIによる重要予測などを基にしたロスのない新流通システムを構築する。実売率を上げて返品に伴う無駄な配送を減らし、在庫はリアルタイムで管理する。

 当初の資本金は数億円で、2年後をめどに100億円規模とする予定。他の中小出版社の出版物の流通も請け負うという。すでに、アマゾンジャパン(東京・目黒)は出版社との直接取引を行なっていて、取次離れが進んでいる。

21/04/09●女性誌休刊続出、その原因はコロナ禍よりネットインフルエンサー

●女性誌休刊続出、その原因はコロナ禍よりネットインフルエンサー

 女性誌編集者を経て美容ジャーナリストとして活躍中の齋藤薫さんが、「Yahoo個人」に、「女性誌休刊ドミノ、化粧品広告はインフルエンサーへ 巧妙化するSNSステマと#PRが生む安心」という、業界分析の記事を寄稿している。 

https://news.yahoo.co.jp/byline/saitokaoru/20210409-00230436/

 コロナ禍もあり、女性誌の休刊が続出している。大きいところでは、「JJ」と「ミセス」。新興誌として大きな期待を集めた日経BP発行のラグジュアリー系女性誌「ダズル」「エルージュ」ウェブマガジンの「ニッケイリュクス」。さらに「アンドガール」「ママガール」「グリッター」など。

 女性誌の不振は、ネットメディアの拡大により、もう何年も前から続いてきており、それにコロナ禍が追い打ちをかけたのは間違いない。しかしコロナ禍は一つの引き金に過ぎず、じつは、ネットで活躍するインフルエンサーによるSNSの投稿が直接の引き金だったという。女性誌はファッション、美容などの広告に大きく依存しているが、4、5年ほど前から雑誌の広告やタイアップよりも、個人による投稿を中心とした「インフルエンサー施策」に予算を費やすクライアントが急増したそうだ。

 この記事を読んで、なんだ、中国と変わらない。日本も中国並みになったのかと思った。中国ではファッション、美容系のインフルエンサーのことを「網紅」(ワンホン)と呼んでいる。

21/04/07●漫画村の運営者に懲役4年6カ月求刑。しかし、海賊版サイトは再び拡大中

●漫画村の運営者に懲役4年6カ月求刑。しかし、海賊版サイトは再び拡大中

 海賊版サイト「漫画村」の運営者とされ、著作権法違反(公衆送信権の侵害など)と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)の罪に問われた住所不定住所不定、無職星野路実(ろみ)被告(29)の論告求刑公判が7日、福岡地裁(神原浩裁判長)で開かれた。検察側は、懲役4年6カ月と罰金1000万円、追徴金約6257万円を求刑し、結審した。

 星野被告が逮捕されたのは、2019年9月。なんと、求刑まで1年半もかかっている。また、被告は著作権侵害は認めたが、犯罪収益を海外口座に移した組織犯罪処罰法違反は否定しているという。判決は6月2日に出る。

 しかし、「漫画村」事件は、この裁判で落着するわけではない。現在、漫画の海賊版サイトは再び拡大していて、その被害は、年間2114億円に急増中だ。

 出版社や著者、通信事業者などで構成される海賊版対策の団体、一般社団法人「ABJ」の担当者によると、海賊版サイトの上位10サイトの月間アクセス数が2020年1月以降、急速な増加傾向にあるという。しかし、有効な手立ては見出せないない状況だ。