22/02/01●集英社、講談社、小学館、KADOKAWAがクラウドフレア社を提訴

22/02/01●集英社、講談社、小学館、KADOKAWAがクラウドフレア社を提訴

 集英社、講談社、小学館、KADOKAWAは、アメリカのIT系企業クラウドフレア社に対し、海賊版コンテンツの公衆送信・複製の差し止めおよび損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に提起した。賠償請求額は一部請求として各社1作品、合計4作品の被害総額4億6000万円。

 クラウドフレア社は国際的に活動するコンテンツ配信ネットワーク(Contents delivery network、CDNと呼ばれる)事業者の1社。

 漫画の違法配信をめぐる“いたちごっこ”は、これまでずっと続いてきたが、その大元にあるのがCDN。現在、最大手の海賊版サイトはCDNのクラウドフレアと契約して、日本国内にある同社サーバーから配信している。月間3億回のアクセスを稼ぎ、「進撃の巨人」「ONE PIECE」などの人気作品から得られる収益を横取りしている。

 一般社団法人ABJが、アクセス数の多い上位10の海賊版サイトで違法に読まれた漫画の小売り額を試算した結果、その額は2021年の1年間だけで1兆円を超えていた。これは、本来なら著作権者、製作者に入らなければならない。これでは、漫画文化は衰退してしまう。

 そのため、出版4社は、顧問弁護団とともにクラウドフレアに対し、著作権侵害が明らかな9つの海賊版サイトを示したうえで、そのサイトが違法に蔵置している侵害コンテンツについて「同サーバーを介した公衆送信の停止」「同社が日本国内に有しているサーバーにおける一時的複製(キャッシュ)の停止」「違法であることが明らかな海賊版サイト運営者との契約解除」などを求めてきた。

 しかし、クラウドフレアはのらりくらり、メディアの取材に関しては「著作権侵害に直接的に関与していない。当社が問題の根源ではない」などと言う始末。堪忍袋の尾が切れたと言うべきだろう。

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