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22/07/02●小説はウェブ発が主流になり小説本は激減。紙の文芸は消滅か

 文春ウェブが『文芸市場の半分は「ウェブ発」の書籍が占める時代に…!? 市場縮小が進む文芸界で“ラノベ界隈”が見据える未来とは』という記事を掲載し、飯田一史氏の著書『ウェブ小説30年史 日本の文芸の「半分」』(星海社新書)より一部を抜粋して紹介している。

 文芸市場は、ここ10年間で半減し、しかも残ったその半分はウェブ発の小説の書籍化で成り立っている。つまりウェブ小説以外の文芸市場は4分の1になり、文芸市場の半分は「ウェブ発」の書籍が占める時代になったことを、本書は伝えている。
 日本出版販売が発表した調査によると、2010年の売上を100としたときの文芸市場の売上は2021年には46.4。市場規模の縮小が恐ろしいスピードで進行していることがわかる。
 さらに、進行しているのは、ウェブ発の文芸市場の4割がラノベであるということ。そのラノベ市場も、ピークは2016年で、市場全体としては下降線に入っている。こうしたことから見ていくと、いずれ紙による文芸というジャンルは消滅する可能性が高い。

22/07/02●もはや書店はいらない? コミックはデジタルコンテンツとなり電子販売が主力に

 2022年の東京書店組合加盟数は、2021年の291店から14店減の277店と公表された。現在、東京も含めた日書連加盟書店数は2887店で、この数はここ20年で半減している。日書連加盟書店を含めた全国の書店数は2001年まで2万店以上あった。しかし、現在では8000店ぐらいにまで減ったとされている。
 すべてがデジタル化されていく現在にあって、これは仕方のないことである。

 書店の売り上げを支えてきたのは雑誌とコミック(漫画)だが、紙の雑誌はもはや時代のライフスタイルに合わなくなり消滅寸前。コミックはほとんどがウェブコンテンツに様変わりしている。
 『出版月報』によると、2021年のコミック市場(紙+電子)は前年よりも633億円、10.3%増。紙の雑誌が11%減、紙のコミックスが0.4%増、電子が20.39%増。コミック市場全体の販売額は史上最高額を更新しているが、紙のほうは減少。この減少は年々拡大している。すでに電子は、紙の雑誌すべての売り上げよりも多くなっている。

 コミックを扱う電子のレーベルも増加が続き、紙で売れる作品は電子でも売れるという傾向が強まった。
 こうしたことから言えるのは、制作側の出版社にとっても、読者にとっても、もはや書店はそれほど価値がなくなったということだ。いずれ、書店はほぼなくなるだろう。
 ただし、デジタル化が進んでも、今日まで最大のヒット作は紙の週刊少年誌から出ているということは変わっていない。

22/07/01●2022年5月の雑誌の返品率は史上初の45%超

 2022年5月の書籍雑誌推定販売金額(ABC公表)は、734億円で前年比5.3%減。その内訳は、書籍は407億円で同3.1%減、雑誌は327億円で同7.9%減となっている。
 雑誌の内訳は、月刊誌が268億円で同7.4%減、週刊誌は58億円で同10.2%減。返品率は書籍が38.8%、雑誌は45.4%、月刊誌は45.8%、週刊誌は43.2%。
 雑誌の返品率が45%を超えたのは、史上初のことと思われる。出版しても半分が返品で破棄するしかないわけで、もはや雑誌はビジネスとして成り立っていない。なお、2022年1月から5月にかけての販売金額累計は6.9%減、書籍は3.4%減、雑誌は11.6%減である。

22/06/21●クールジャパン機構の累積赤字309億円。財務省が統廃合を検討

 新聞ほかメディアがいっせいに、クールジャパン機構(正式名「海外需要開拓支援機構」、官民共同出資のファンド)が統廃合されると伝えている。これは、財務省が6月20日、公表した官制ニュース。公表せざるを得ないほど、クールジャパンの実態はひどかったためで、その赤字額は、今年3月末時点309億円に上るという。
 20日の財務省の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)財政投融資分科会で、この状況が示されたうえ、統廃合が勧告された。それによると、コロナ禍の長期化で、投資先の一部で売上高が大幅に減少し、計画よりも52億円赤字が拡大した」となっているが、クールジャパンのこれまでの事業を見れば、コロナ禍とは関係なく、ほとんどが単なる日本製品の海外プローモトにすぎず、リターンの見込みがない税金のバラマキにすぎない。
 漫画やアニメなどがクールジャパンの目玉の一つだが、この政策によって売れたという話はまったくない。海外へのクールジャパンの進展は、ほとんどが個別企業の努力で、国はまったく役立っていなかった。

22/06/20●小学館の黒字決算に見るデジタルシフトによる出版の変質

 先日、6月10日、小学館は第84期(2021.3.1~22.2.28)決算を発表した。売上高は1057億2100万円(前年比12.1%増)。経常利益は89億4500万円(同23.4%増)、当期利益は59億9500万円(同5.7%増)で増益。4期連続の黒字決算となった。売上高が1000億円を超えたのは77期以来、7年ぶり。
 売上高の内訳は、「出版売上」470億5300万円(同0.6%増)、「広告収入」91億3700万円(同0.5%増)、「デジタル収入」382億8700万円(同25.2%増)、「版権収入等」112億4400万円(同43.0%増)。全4分野で前年実績を上回り、好調に推移した。
「出版売上」では、「雑誌」が170億2400万円(同7.8%減)、「コミックス」が166億0800万円(同2.3%増)、「書籍」が119億4500万円(同8.2%増)、「パッケージソフト」が14億7700万円(同42.8%増)。4部門中、雑誌以外の3部門で増収となった。

 この決算で重要なのは、「デジタル収入」382億8700万円、同25.2%増、「版権収入等」112億4400万円、同43.0%増という2つの分野が、「出版売上」を超え、しかも全分野の半分を占める500億円に迫っていることだ。

 つまり、小学館は雑誌が主力の出版社からデジタル、版権収入が主力の小学館へと移行しつつあるということ。これは、講談社、集英社、KADOKAWA、大手でコミックを持っているところはみな同じである。つまり、出版事業はもはやデジタルで成立するようになり、出版社のイメージは従来かたちと変わりつつある。そして、それにともない、書店の価値はどんどん薄れていく。書店数が激減しているのは、こうした現実の反映だ。

22/06/16●「赤坂から書店がなくなる」と朝日新聞記事が嘆いている

 東京・赤坂の「文教堂書店赤坂店」が、ビル建て替えのため6月17日で閉店。その前日、朝日新聞が嘆きの記事を出した。文教堂の閉店で、赤坂駅周辺の書店は実質“全滅”となり、利用者からは「非常に残念」といった声があがっているというのだ。
「書店の減少が止まらない中、赤坂からもなくなってしまうことの寂しさとショックは大きかったですね」
 と、赤坂店を担当する文教堂運営本部のエリアマネジャー、富田利之さん(52)は、朝日記事のなかで語っている。

©️みんなの経済新聞

 2021年3月に老舗の金松堂書店、22年1月にTSUTAYA赤坂店がそれぞれ閉店。周辺の書店は選書専門店「双子のライオン堂」を残すのみとなってしまった。
 しかし、感傷的になっても仕方ない。書店消滅はすべてがデジタル化、オンライン化される時代の流れであり、それにコロナ禍が追い討ちをかけたと言える。

 コロナ禍は、書店よりも飲食店に大きな打撃を与えた。赤坂近辺を歩けば、多くの飲食店が営業停止になっていることに気がつく。
 赤坂に限らず、都内の一等地では、小売ビジネスが窮地に陥っている。書店もそうだが、飲食やそのほかの小売業も高額賃貸料を負担できなくなくなっている。

 現在、生き残っている書店は、大別して2種類だ。一つは、在庫リスクを負わないよう取次から言われるまま本を仕入れている書店と、在庫リスクを負っても店主が自分の店に置きたい本を出版社から直接仕入れる独立系の書店だ。
 文教堂は前者で、赤坂店はコロナ禍で売り上げが半分に落ちたという。今後、こうした書店はネット販売のショールームとして生き残っていくしか道はないのではないだろうか。

22/06/04●今年、あと何誌が休刊?もはや雑誌の寿命は尽きた。

 最近では、ベースボール・マガジン社が発行する専門誌「近代柔道」「ボクシング・マガジン」「ソフトボール・マガジン」「コーチング・クリニック」などが次々と休刊に追い込まれている。今後、これに続く休刊誌が何誌出るかというのが、いまの業界の話題だ。
 もはや、雑誌の凋落はとどめるすべもなく、専門雑誌はもとより、あらゆるジャンル、刊行形態(週刊、月刊、季刊)を問わず、その寿命が尽きようとしている。
 2022年4月の書籍雑誌推定販売金額が発表されたが、総額は992億円で、前年比7.5%減。書籍は547億円(同5.9%減)、雑誌は445億円(同9.5%減)となっていて、やはり雑誌の落ち込みがひどい。その内訳は、月刊誌が382億円(同9.0%減)、週刊誌が63億円(同12.2%減)で、このままいくと近いうちに休刊誌が続出するのは間違いない。ちなみに、2022年1月から4月にかけての雑誌販売額は、前年同期時に比べ、なんと12.6%という大幅なマイナスになっている。

22/05/30●ヤフーがエンタメ系の投稿欄を一部閉鎖。眞子さん記事が最大の原因

 「ヤフーニュース」のヤフコメ欄がまた閉鎖された。今回は、エンタメ系で、週刊誌やスポーツ紙など少なくとも3つのメディアの提供記事が対象。

 共同通信の配信記事は、以下のように伝えている。

《ヤフーがニュース配信サイト「ヤフーニュース」に掲載するエンタメなどの一部記事に関し、誹謗中傷の抑止を目的に読者のコメント投稿欄を閉鎖したことが30日分かった。週刊誌やスポーツ紙など少なくとも三つのメディアの提供記事が対象。これまでも差別的な投稿を個別に削除したり、「炎上」の恐れがある個別記事のコメント欄を非表示にしたりする対策を取ってきたが、今回は特定メディアのエンタメ記事に関するコメント欄を一斉に閉鎖する措置に踏み込んだ。

 ネット上の誹謗中傷はコメント欄を舞台にエスカレートする場合も多く、人を傷つけ自殺者を出すなど深刻な社会問題となっている。》

 この記事では媒体名をあえて書いていないが、3つのメディアというのは、「ポスト」「週刊女性」「東スポ」のこと。閉鎖の原因となった記事は「小室圭・眞子夫妻」ものであるのは間違いない。最近、皇室記事に対して、とくに眞子さん記事に対しては、コメントが荒れている。読者は、思い切り、感情をぶつけて、眞子さんを批判している。それは、誹謗中傷に近い。もっと言葉を選べばいいのにと思うが、そういう人はまれだ。真実よりウソ、賞賛より非難・罵倒のほうがネットでは速く拡散する。

 ツイッターもそうだが、こうした動きが、「言論統制」に向かうのではないかと心配する。

22/05/18●インプレスホールディングスの連結決算、増収増益。出版事業の増益に!

 インプレスホールディングスが、2022年3月期(21.4.1~22.3.31)の連結決算を発表した。それによると、売上高147億7800万円(前年比6.7%増)、営業利益8億4800万円(同3.2%増)、経常利益9億4100万円(同1.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8億7500万円(同29.5%増)で、増収増益の決算となった。
 コンテンツ事業の売上高は123億1800万円(同9.7%増)、同事業の出版・電子出版の売上高は80億3200万円(同6.9%増)と堅調に推移している。

22/05/16●KADOKAWAの連結決算好調、ドワンゴと合併以来最高に!

 KADOKAWA は、2022年3月期(2021.4.1~22.3.31)連結決算の概要を発表した。それによると、売上高は2212億0800万円(前年比5.4%増)。営業利益は185億1900万円(同35.9%増)、営業利益率は8.4%(同1.9ポイント増)、経常利益は202億1300万円(同40.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は140億7800万円(同46.9%増)となっている。
 いずれも大幅な増収増益で、これは、2014年10月にドワンゴと経営統合して以降、過去最高である。
 KADOKAWAでは、2023年3月期を最終年度とする中期計画の営業利益目標を1年前倒しで達成。今回、新たな中期計画を策定した。その目標は、3年後の2025年3月期に、売上高2500億円、営業利益250億円を達成するというものだ。