20/06/19●言論の危機か?「NYタイムズ」の論説主幹が退任で波紋が広がる。抗議デモを巡る対応

20/06/19●言論の危機か?「NYタイムズ」の論説主幹が退任で波紋が広がる。抗議デモを巡る対応

●言論の危機か?「NYタイムズ」の論説主幹が退任で波紋が広がる。抗議デモを巡る対応

 やはり、「NYタイムズ」は完全なリベラル紙で、職員の力が強すぎる。今回の「抗議デモ」の全米での広がりを受けて、共和党のトム・コットン米上院議員の「軍隊を派遣せよ」という寄稿を掲載したところ、社内から非難の声が噴出。職員約250人が事実上のストまで行なった。

 標的は、寄稿掲載の責任者、ジェームズ・ベネット論説欄担当編集長。発行人のアーサー・グレッグ・サルツバーガー社主は、「多様な見解を受け入れる」として、ベネット編集長を擁護したが、最終的に、6月7日、彼は退任させられた。

 同じようなことは、ペンシルベニア州の有力紙フィラデルフィア・インクワイアラーでも起こり、「ブラック・ライブズ・マター」にひっかけて「ビルディングス・マター・トゥー(建物も大事)」という記事を掲載すると、44人の記者が経営陣に抗議書簡を送り、責任者は退任した。

 多くのアメリカのメディアはリベラル色が強く、なかにはほぼ左翼メディアと言えるものもある。こうした動きは、じつはジャーナリズム、言論の危機だ。「ボストンヘラルド」紙は、「過激な進歩主義イデオロギーの伝道者によって報道の自由が圧倒されるのは危険だ」と警鐘。「ウォールストリート・ジャーナル」紙は、異論を封じる勢力がジャーナリズムを支配しつつあるとし、「NYタイムズや他のリベラル系メディアが乗っ取られたことは、かつて米国のリベラリズムを規定した自由な研究とアイデアの競争を擁護する機関がさらに少なくなったことを意味する」と書いた。

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