カテゴリーアーカイブ 業界ニュース

22/05/08●神保町のランドマーク三省堂書店神保町本店が一時閉店

 本社ビルの建替えに伴い、神保町のランドマークとして親しまれた三省堂書店神保町本店が一時閉店した。完全な閉店ではないのに、この日の閉店前には、正面入口で亀井崇雄社長と杉本佳文店長が客や関係者に感謝の意を伝える挨拶セレモニーを行なったため、多くの書店ファンが集まった。
 三省堂ビルは、三省堂創業百周年にあたる1981年、戦前から営業してきた旧社屋を改築して完成した。地上8階建てで、1階から6階までの売り場面積は約千坪、蔵書は140万冊を誇った。
 亀井社長は建替えについて、「本にしおりを挟むように、また物語を再開するために必要なステップ。第2の創業のつもりで、次世代の新しい書店を目指します」と述べた。

©︎文化通信

22/05/01●2つの図表で見る出版大手の近年の業績は?

 まずは、「出版状況クロニクル168」に、「2020年出版社の実績」(ノセ書店)が掲載されていたので転載する。

https://odamitsuo.hatenablog.com/entry/2022/05/01/000000

 大手3社はデジタルシフトと、それを支えるコミックスが好調で、ここ3年、実績を伸ばしていることがわかる。

 続いては、「業界サーチ」から、「出版大手5社の売上高の推移」

https://gyokai-search.com/3-hon.htm

 2020年の上位5社の売上高は、集英社が前年比14.7%増、講談社は同6.7%増、KADOKAWA(出版事業)は10.8%増、小学館は3.5%減、ゼンリンは4.2%の減少。集英社は『鬼滅の刃』が大ヒットしたことで、前年から2ケタの伸び率を記録。講談社はデジタル関連や版権の収入が向上し、収益に寄与した。

22/04/28●コロナ禍特需は消滅。3月の書籍雑誌推定販売額は1438億円で前年比6.0%減

 出版科学研究所による2022年3月の書籍雑誌推定販売金額は1438億円で、前年比6.0%減となった。内訳は、書籍944億円で(同2.7%減)、雑誌494億円(同11.7%減)。相変わらず雑誌の落ち込みが激しく、その内訳は月刊誌419億円で、(同12.4%減)、週刊誌75億円(同7.5%減)となっている。すでにコロナ禍による「巣こもり特需」は消え、今後さらに落ち込むことが予想される。部数販売による雑誌ビジネスはもう成り立たないと言ってもいいだろう。それは、返品率に現れていて、雑誌全体で39.3%、月刊誌38.9%、週刊誌41.4%と、ほぼ4割が売れ残る状況が続いている。

22/04/15●新聞記者が「憧れの職業」ではなくなったワケとは?

〈現在の大学生には信じてもらえないかもしれないが、かつて大学生の人気企業ランキング50位では、朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞社といった全国紙の新聞社が必ず上位にランクインしていた。就職するのは「宝くじを当てるよりも難しい」などという時代があった。〉

 という書き出しで始まる坂夏樹氏(元新聞記者)の「プレジデント・オンライン」の記事『昔は宝くじ以上の競争倍率だった…憧れの職業だった「新聞記者」がここまで没落したワケ』は、なるほどという悲哀にあふれた記事だ。

https://president.jp/articles/-/56554

 坂夏樹氏は、「他社に特ダネを打たれてもいいから休め」「テレビを見て取材すればいい」という編集幹部の言動が出るようでは、新聞(ジューナリズム)は終わりだと指摘する。そして、自身が大学で講師としてジャーナリズムの講義を新聞記者志望の学生に、志望が本気なら、〈例外なく「やめた方がいい」とアドバイスした。〉という体験談を述べる。

 その理由を大学から聞かれると、こう説明したという。

〈「日本の新聞社から、一からジャーナリストを育てる力が失われつつある」と説明したうえで、「安物の新聞記者で一生を終わっていいのなら応援します。でも、真剣にジャーナリズムの世界を目指している学生には、とても勧めることはできません」と曲げなかった。〉

 これは、新聞記者に限らず、出版社の雑誌記者、編集者でも同じだ。私も、かつて同じように、ジャーナリズムに行くべきではないと、相談を受けた学生たちに語ってきた。

 なぜなら、いくら志望しても、新聞社にも出版社にもジャーナリズムなどなくなってしまったからだ。

 坂夏樹氏は、次のように指摘する。

〈デジタル化が進み、人減らしが露骨になってくるのと比例するように、心を病む記者が増えてきた。〉

〈デジタル化の進展による「徹底的な人減らし」。デジタル化で出現した「会話のない職場」。新人の記者はほったらかしにされることが普通になった。〉

22/04/08●朝日新聞のスター記者が“安倍元首相の代理人”として他メディアに圧力で懲戒処分

 昨日4月7日、朝日新聞が朝刊で公表した社員記者の懲戒処分が大きな波紋を呼んでいる。なんと、朝日のスター記者として有名な編集委員の峯村健司氏が、安倍晋三・元首相の“代理人”として、「週刊ダイヤモンド」のインタビュー記事のゲラのチェックを要求したというのだ。

 朝日は、ダイヤモンド社側から抗議を受け、峯村氏の行為を「ジャーナリストとしてあるまじき行為」としたのである。

 峯村氏といえば、中国総局員やアメリカ総局員を経験するなど外交・安全保障分野で数々の実績をあげてきた記者で、ボーン・上田記念国際記者賞を受賞している。そんな人物が、なぜ、こんなことをしてしまったのか?

 朝日発表では、「週刊ダイヤモンド」誌が行なった安倍晋三・元首相のインタビュー後に、峯村氏がダイヤモンド担当者に「安倍(元)総理がインタビューの中身を心配されている。私が全ての顧問を引き受けている」「とりあえず、ゲラ(誌面)を見せてください」「私が全ての顧問を引き受けている」「ゴーサインは私が決める」と要求したという。

 峯村氏は、朝日の朝刊記事に対して「note」に「反論文」を公開して釈明している。それによると、安倍晋三・元首相は、核兵器の共有(ニュークリアシェアリング)についての部分に関して、「酷い事実誤認に基づく質問があり、誤報になることを心配している」と峯村氏に告げ、「海外出張するので、ニュークリアシェアリングの部分のファクトチェックをしてもらえるとありがたい」と言ったという。

 なるほど、そういう経緯かとわかったが、そんなことは断るのが当然。そういう仕事は、ご本人か代理人がやるべきで、峯村氏のような記者がやるべきことではない。

 私は、この反論文が、反論文というより、元首相にも目をかけられてきたことを自慢しているように読めた。それにしても、峯村氏は、すでに退社が決まっていて、それまで約2週間を残すだけだったという。よほど、上層部に嫌われていたのだろう。優秀すぎると、ついこういうことをしてしまう。

22/03/10●なぜ実名報道するのか?新聞協会の見解

 2019年7月18日に起きた「京都アニメーション放火殺人事件」で、犠牲者の実名が報道されたことに批判の声が上がったことで、その後、事件被害者の実名報道が論議されてきた。

 今回、新聞協会はこの件に関する見解をまとめ、1問1答の形(ぜんぶで5問5答)で協会のウエブにアップした。報道する側にとっても、される側にとっても非常に参考になる。

https://www.pressnet.or.jp/statement/report/220310_14533.html

以下は、第1問「なぜ事件の犠牲者を実名で報じるのですか?」に関する見解の抜粋。

「社会で共有すべき情報を伝え、記録することが、わたしたち報道機関の責務であり。そのなかでも、誰が被害に遭ったのかという事実は、その核心です」「被害に遭った人がわからない匿名社会では、被害者側から事件の教訓を得たり、後世の人が検証したりすることもできなくなります」

22/03/03●アマゾンがリアル書店を閉鎖、戦略見直しか。

 アマゾン・コムは、3月2日、リアル店舗の書店「アマゾン・ブックス」をすべて閉店することを公表した。2015年にシアトルで1号店をオープンし、その後、ニューヨーク、ロサンゼルスなどで展開してきたが、思ったほどの実績を上げられなかったためと思われる。

 リアル書店撤退と同時に、通販サイトで顧客の評価が4つ星以上の商品をそろえた「アマゾン・4スター」なども閉鎖するという。

 これで、アマゾンのリアル店舗は。2017年に買収したスーパーのホールフーズ、コンビニの「アマゾン・ゴー」などがメインになる。

22/02/25●電通「日本の広告費」インターネット広告費2兆7052億円で4マス超え

 電通は2月24日、日本の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2021年 日本の広告費」を発表した。それによると、総広告費は前年比110.4%増の6兆7998億円。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響で東日本大震災のあった2011年以来のマイナスとなった前年(総広告費6兆1594億円)から大きく回復し、通年で2桁成長(前年比110.4%)に回復した。

 ただし、媒体別に見ると、もっとも増加したのはインターネット広告費。前年比121.4%で2兆7052億円。総広告費からの構成比は39.8%となり、初めてマスコミ4媒体広告費を上回った。

「マスコミ4媒体由来のデジタル広告費」は、わずか3年で1000億円を超え。なかでも「テレビメディア関連動画広告」が、249億円(前年比146.5%)と大きく伸長した。また「物販系ECプラットフォーム広告費」も巣ごもり・在宅需要の拡大に伴い、1,631億円(前年比123.5%)となった。

22/02/22●講談社、大幅な増収増益決算。デジタル事業が急伸

 2月21日、講談社の第83期(2020.12.1~21.11.30)決算と役員人事が公表された。売上高は1707億7400万円(前年比17.8%増)、当期純利益155億5900万円(同43.0%増)で、増収増益の好決算となった。
 売上高の内訳は、「製品」662億8600万円(同4.4%増)、「事業収入」910億2800万円(同27.4%増)、「広告収入」70億4300万円(同27.6%増)、「その他」32億4300万円(同147.9%増)、「不動産収入」31億7300万円(前年と同じ)。

 「事業収入」の「デジタル関連収入」は704億円(同29.4%増)で、そのうちの電子書籍は690億円(同30.2%増)で、紙媒体の「製品」売上を初めて上回った。「デジタル関連収入」の多くは、コミックのデジタル移行が稼ぎ出したもので、この決算により、大手出版社(集英社、小学館、KADOKAWAなど)のビジネスがいまや紙でなくデジタル事業に移行していることがはっきりした。

 なお、「国内版権収入」は114億円、同38.9%増、「海外版権収入」は91億円、同4.2%増。

22/02/21●KADOKAWA、漫画・ラノベなど海外事業が好調で業績伸長

 日経新聞が「KADOKAWA、漫画・ラノベが海外事業けん引」と題して、KADOKAWAの海外事業(漫画、ライトノベル)が、想定を上回るレベルで伸長していることを報じた。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC0383Q0T00C22A2000000/
この記事によると、KADOKAWAの21年4~12月期の連結決算は、売上高が前年同期比3%増の1576億円、純利益は6%増の95億円。このうち、1年4~12月の出版事業の海外売上高は108億円で、収益認識に関する会計基準を適用していなかった20年4月~21年3月の92億円をすでに上回る水準になっているという。

 その原因は、北米、アジア圏での漫画やライトノベルの人気だが、その背景にはコロナ禍による巣ごもり需要もある。日経記事は、こう述べている。

「新型コロナウイルス禍による巣ごもり需要の盛り上がりで、米ネットフリックスなど世界的な動画配信プラットフォームを通じて、日本アニメを見る視聴者が増えた。海外のアニメファンが原作に関心を持つようになった。この影響で、ライトノベルなどの人気に火が付いた。」