大田丸は、このほど、加盟書店11法人・126店舗による年間ランキングを初めて公開した。その「2022年 年間ベストセラー」の「総合」トップ3は、和田秀樹『80歳の壁』(販売部数=1万3309冊、幻冬舎)、永松茂久『人は話し方が9割』(1万0718冊、すばる舎)、厚切りジェイソン『ジェイソン流お金の増やし方』(9897冊、ぴあ)。集計期間は昨年12月1日から今年11月30日まで。
大田丸は、このほど、加盟書店11法人・126店舗による年間ランキングを初めて公開した。その「2022年 年間ベストセラー」の「総合」トップ3は、和田秀樹『80歳の壁』(販売部数=1万3309冊、幻冬舎)、永松茂久『人は話し方が9割』(1万0718冊、すばる舎)、厚切りジェイソン『ジェイソン流お金の増やし方』(9897冊、ぴあ)。集計期間は昨年12月1日から今年11月30日まで。
ニューズウィークのサイトに『クールジャパン機構失敗の考察……日本のアニメも漫画も、何も知らない「官」の傲慢』(古谷経衝)という記事が掲載された。読んで、いちいち納得し、絶望的な気分になった。
記事は、クールジャパン機構を推進してきた官僚たちが、いかに日本の文化、伝統、そして漫画やアニメなどのコンテンツに無知で、「日本はすごい」と単純に過信してきたために、徹底して失敗したことを糾弾している。
私はこれまで、このことを何度も記事にし、本にも書いた。マレーシア・クアラルンプールの「ISETAN The Japan Store」に行けば、誰もがそう思うはずだ。なぜ、こんな馬鹿げたストアをつくったのか、本当に気が知れない。
https://www.newsweekjapan.jp/furuya/2022/12/post-32.php
古谷氏は、記事のなかで、こう書いている。
《私が知る限り日本における政治家のほとんどすべてがそうである。日本のアニメ、漫画は世界中でファンを獲得している、クールジャパンこそが日本における数少ない輸出コンテンツだ、成長戦略の中核である、云々。猫も杓子も政治家はこのようにいう。しかし彼らは、自らが称揚するこういった日本のカルチャーにまったく触れている形跡がない。》
《要するに彼らは、日本人であり日本社会で生きながら、漫画やアニメといったコンテンツ自体に触れていない。》
《要するに彼らはクールジャパン~と言っておきながら、その中核をなすアニメ・漫画を観るのも読むのも億劫だし、ゲームをプレイする意欲もないし、そもそも関心がないのである。》
これは、以前から私が思っていたこととまったく同じだ。
つまり、何も知らないのに、単にカネをつぎ込んだだけというのがクールジャパンで、なんとすでに309億円も税金をすってしまったのである。
最後に古谷氏は、こう書く。
《これを教訓に二度と類似組織を作るべきではなく、アニメも漫画もゲームも、政府は放っておいて二度と介入しないでいただきたい。》
まさに、その通りだ。
出版科学研究所によると、2022年10月の書籍雑誌推定販売金額は845億円で前年比7.5%減。もはや、毎月、前年比でマイナスを記録するのは日常茶飯事になった。それほど、紙の出版物は市場を失っている。
雑誌の内訳は月刊誌が296億円で、同10.8%減、週刊誌は64億円で、同4.3%減。返品率は書籍が34.1%、雑誌は43.8%で、月刊誌は43.4%、週刊誌は45.5%と、惨憺たる状況だ。前年比で見ていくと、今年は毎月、マイナス幅が大きくなっている。このままいくと、今年度の書籍雑誌書販売額は、大幅な減は間違いない。
オリコンは、11月30日、2022年の本の年間ランキングを発表。BOOKランキングの1位は、期間推計48万6588部を売り上げた厚切りジェイソンの『ジェイソン流お金の増やし方』(ぴあ)となった。2位は和田秀樹『80歳の壁』(幻冬舎)、3位は両@リベ大学長『本当の自由を手に入れる お金の大学』(朝日新聞出版)。
コミックの1位は、芥見下々『呪術廻戦(18)』(集英社)、文庫の1位は原田ひ香『三千円の使いかた』(中央公論新社)。
オリコンランキングの集計期間は、2021年12月6日~2022年11月20日。調査協力店舗数はネット通販を含む全国書店3979店舗。
発表された10月のABCによると、朝日新聞はこの1年間で約61万部の部数減となり、400万部の大台を割り込んで約396万部。読売新聞は約47万部の部数減となり、約657万部となった。
以下が、いわゆる5大紙の部数。
こうした部数減がどこかで止まるという見込みはなく、新聞社は紙媒体という立ち位置から、大きく業態を変えていくだろう。
朝日新聞:3,961,962(-609,548)
毎日新聞:1,845,772(-133,140)
読売新聞:6,567,738(-470,330)
日経新聞:1,673,118(-179,936)
産経新聞:990,743(-70,533)
11月28日、トーハンは2022年度連結中間(2022.4.1~同9.30)決算の概要を発表した。それによると、連結子会社26社の連結売上高は1913億8300万円(前年同期比10・2%減)、営業損失は7億4300万円(前年は11億2600万円の利益)、経常損失は6億4100万円(前年は11億1900万円の利益)、親会社に帰属する中間純損失は9億5700万円(前年は4億7800万円の利益)。「トーハン」と「書店系10社」の売上高が大幅に減収となり、赤字になった。
トーハン単体では、売上高は1786億7300万円(同10.5%減)で、営業損失は9億6100万円(前年は5億0200万円の利益)、経常損失は5億5000万円(前年は9億5200万円の利益)、中間純損失は6億2000万円(前年は2億7100万円の利益)。
「書籍」「雑誌」「コミック」「マルチメディア」の全4部門で売上げが減少した。
トーハンに先立つ25日、日販グループホールディングスは、連結子会社36社の連結中間(2022.4.1~同9.30)決算の概要を発表した。売上高は2198億1300万円(前年同期比10.8%減)で、営業損失1億0400万円(前年は16億4500万円の利益)、経常利益は1500万円(前年同期比99.2%減)と大幅に減少した。ただし、親会社株主に帰属する中間純利益は11億7800万円(同19.9%増)と、グループ全体では経常利益を確保した。
とはいえ、日本出版販売単独では、売上高は1775億4100万円(同11.7%減)で前年から約235億円減少。営業損失は6億2600万円(前年は4億3700万円の利益)、経常損失は4億9400万円(前年は5億3200万円の利益)、中間純損失は5億8400万円(前年は3億4800万円の利益)と赤字決算。
「書籍」「雑誌」「コミックス」「開発品」の全4部門で減収。返品率は「雑誌」が同3.7ポイント改善したが、他の3部門が増加し、総合で同0.4ポイント悪化した。
『なぜいま海外で日本のマンガの売上が爆発的に伸びているのか? 欧米の出版関係者が語る“その熱狂”』という記事が、「クーリエ・ジャポン」に掲載された。元記事は英「ガーディアン」。
記事の冒頭にこうある。
〈いまや世界中で親しまれている日本のマンガだが、とくにここ数年、欧米でその販売数が飛躍的に伸びている。日本のマンガはいかにして世界のメインストリームとなったのか、英紙「ガーディアン」が現地の関係者たちを取材した。〉
というわけで、彼らが原因としてあげたのが、コロナ禍によるロックダウン。要するにマンガは、ロックダウンで閉じ込められた室内での娯楽の王様となったということ。
米国の場合、NPDブックスキャンの集計によると、2020年のマンガの販売部数は968万部だったが、2021年には160%増の2520万部に急増。同年、マンガは米国の印刷書籍市場全体において、2番目に成長率の高いカテゴリーである恋愛小説の数字を3倍上回り、成長率トップのカテゴリーとなった。
この現象は、日本のマンガが売られているほとんどの国で起こり、英国、オーストラリアなど英語圏は過去にない販売数の増加が見られたという。ロックダウン中、マンガの在庫がなくなったことも、人気に拍車をかけた。
では、どんなマンガが売れたのか?
編集者たちが挙げたのは、『東京喰種 トーキョーグール』や、『進撃の巨人』、『僕のヒーローアカデミア』、『鬼滅の刃』といったアニ化されたシリーズだった。
感謝祭ウイークに公開されたゲイで黒人の少年を主人公にした初のディズニー映画『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』(Strange World)は、公開5日間で行収入(推定)1860万ドル(約25億円)を記録したが、『The wrap』は「ディズニー史上最も大コケした作品の一つ」になると報じた。
製作費1億8000万ドル(約250億円)と言われる本作だが、公開初日の興行収入は420万ドル(5.8億円)。評判もいまいちで客足は伸び悩み、11月27日時点での世界興行収入は2780万ドル(約38億円)に留まっている。
そのため、『Variety』は「壊滅的な結果」と表現。『Deadline』は「最終的に推定1億4700万ドル(約204億円)の損失になる」と報じた。
『CinemaScore』が行った出口調査では、観客によるレーティングは「B」。ディズニーのアニメ映画で、AもしくはA-を獲得しなかった作品は、1991年の調査開始以来初めてだという。
なぜ、ここまで評判が悪いのか? ここまでの声を総合すると、「wokeが過ぎる」ということのようだ。
KADOKAWAは、11月2日、2023年3月期中間(22.4.1~同9.30)連結決算の概要を発表した。連結売上高は1226億3900万円(前年同期比17.0%増)。営業利益132億3700万円(同33.2%増)、経常利益168億9700万円(同59.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益105億3700万円(同48.1%増)と大幅な増益を計上した。
「出版」「映像」「ゲーム」「Webサービス」「教育」「その他」の全6分野で、売上げが前年同期実績を上回った。とくにゲーム事業や、北米における出版事業が大きく成長した。
とはいえ、東京五輪の贈収賄で会長の角川歴彦は、10月4日に起訴されている。角川容疑者は、11月5日、申し出ていた会長職および執行役員の辞職が受理され、正式に辞任した。
秋の読書推進月間「BOOK MEETS NEXT」が10月27日に開幕した。出版文化産業振興財団(JPIC)を中心に今年初めて行うキャンペーンで、デジタルスタンプラリーや『かがみの孤城』映画化記念フェアなど、全国の書店1900店超の書店がイベントを企画している。
毎年恒例の「読書週間」や「本の日」と連携するなど、出版業界全体で書店店頭の活性化を目指すというが、この時代、いまさらそんなことが可能か?
キャンペーンのアンバサダーには、作家の今村翔吾氏、角野栄子氏、中江有里氏など就任。読書を勧める。初日にスピーチしや今村氏は、読書が〝娯楽の王者〟の座に再び就くためには「書店、取次会社、出版社、作家、読者の方も一丸となって挑みかからないと奪還の道はない」と熱く呼び掛けた。