「ChatGPT」が空前のブームになっている。『週刊東洋経済』(東洋経済新報社、4月22日号)が特集すると、なんと売行き絶好調。4月27日出来で2刷、5月8日出来で3刷の重版が決まった。特集内容は、「ChatGPT仕事術革命」。同誌が3刷に達するのは、2021年7月31日号(相続の新常識)以来、約1年9カ月ぶりという。
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「ChatGPT」が空前のブームになっている。『週刊東洋経済』(東洋経済新報社、4月22日号)が特集すると、なんと売行き絶好調。4月27日出来で2刷、5月8日出来で3刷の重版が決まった。特集内容は、「ChatGPT仕事術革命」。同誌が3刷に達するのは、2021年7月31日号(相続の新常識)以来、約1年9カ月ぶりという。
音楽之友社の『レコード芸術』が7月号で休刊することがわかった。同誌は1952年創刊で、クラシックレコード評論の専門誌、クラシック音楽界における重要なメディアだったが、部数減、収益減には勝てなかった。
すでに音楽之友社では、いくつかの音楽雑誌を休刊にしている。ヤマハに支援を仰ぎ、子会社となったが、それでも継続は無理だった。
『レコード芸術』の発行部数は10万部というが、はたしてどれほど売れているのか? 言えることは、音楽にしても、絵画にしても、またスポーツにしても、趣味関連の雑誌はもう成り立たないということだ。趣味を楽しむネットワークは、もうウェブに移ってしまっている。
電通は2月24日に、「2022年 日本の広告費」を発表。それによると、総広告費は7兆1021億円(前年比4.4%増)で、1947年の調査開始以来、過去最高となった。2022年はコロナ禍に加え、ウクライナ情勢や物価高騰などがあったが、インターネット広告費が3兆0912億円(前年比14.3%増)と大幅に伸長した。新聞、雑誌などのマスコミ4媒体広告費は2兆3985億円(同2.3%減)だったが、マスコミ4媒体由来のデジタル広告費は1211億円(同14.1%増)と好調に推移している。
講談社は2月21日、第84期(2021・12・1~22・11・30)の決算を発表した。それによると、売上高1694億8100万円、前年比0.8%減、営業利益は191億円、同11.9%減、当期純利益は149億6900万円、同3.8%減。
その内訳は、紙媒体の「製品」が573億5500万円、同13.5%減、デジタル版権関連の「事業収入」が1001億7200万円、同10.0%増。そのうちの「デジタル関連」収入は778億円、同10.9%増、「国内版権収入」は98億円、同13.6%減、「海外版権収入」は124億円、同35.2%増となっている。
つまり、売上高の6割以上がデジタル版権関連となっていて、紙の出版物(書籍、雑誌)で事業を行なっているという旧来の出版社というイメージはなくなっている。
これは集英社も同じ。集英社の決算も売上高1951億円のうち、デジタル版権事業収入が65%を占めている。
このような業態になったのは、ウェブの進展でコミックが収益の柱となり、その関連ビジネスが広がったからだ。電子コミックの進展は、紙のコミックの激減を招き、書店の業態も変えた。例えば、いまは書店が人気コミックのシリーズ全巻を常時揃えておく必要はなくなった。
このパターンは、コミックから一般書籍にも広がるはずだ、出版社も書店も大きく変わろうとしている。
公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所は1月25日、2022年の出版市場(推定販売金額)を発表した。紙+電子は前年比2.6%減の1兆6305億円で、紙は6.5%減の1兆1292億円、電子は7.5%増5013億円。コロナ禍前の2019年比では、紙+電子は5.7%増、紙は8.6%減、電子は63.2%増となった。
紙の出版物金額の内訳は、書籍が同4.5%減の6497億円、雑誌が9.1%減の4795億円。コロナ禍前の2019年比では、紙全体は8.6%減、書籍は3.4%減、雑誌は14.9%減。書籍は、これまで好調だった文芸書、児童書、学参、資格試験などの売れ行きが鈍化し、ヒットするものもシニア向けのものが多くなっている。2022年ベストセラー1位の『80歳の壁』(幻冬舎)の発行部数は60万部弱である。
雑誌は、月刊誌(コミックス・ムックを含む)が前年比9.7%減の4017億円、週刊誌が同5.7%減の778億円。月刊誌の減少は、コミックス(単行本)が2桁減と大きく落ち込んだのが大きな要因だ。
1月18日、朝日新聞出版から5月休刊(事実上の廃刊)が発表された「週刊朝日」。創刊は1922年で、総合週刊誌としては日本最古。
最盛期は昭和30年代で、出版社系の週刊誌が創刊されるまでは、100万部以上の部数を誇っていたことも。司馬遼太郎の「街道をゆく」や山藤章二の「ブラック・アングル」「似顔絵塾」などの人気の連載企画が懐かしい。
すでに、新聞社系の総合週刊誌はなくなり、出版社系の「週刊現代」「週刊ポスト」は週刊誌ではなくなった。時代はウェブに移り、週刊単位でニュース、情報を報道する意味もなくなった。
朝日新聞出版は「100年余りにわたって読者の皆さまから多大なるご愛顧をいただき心より御礼申し上げます。今後はウェブのニュースサイトや書籍部門により一層注力していく判断をしました」などとコメント。
日本雑誌協会による「週刊朝日」の印刷証明付発行部数の過去3年は、次の通り。
2020年…10万2475部
2021年…8万2223部
2022年…7万4173部
[出版状況クロニクル176(2022年12月1日~12月31日)]に、『ノセ事務所より、2021年の「出版社実態調査」が届いた。今回は501社の出版社の実績が掲載レポートされ、それは次の3ランクに分類されている。』という記事があり、興味深い。以下、引用してみたい。
J1出版社 10億円以上売上 247社
J2出版社 5億~10億円売上 104社
J3出版社 1億~5億円売上 150社
それぞれの売上高はJ1が1兆5320億円、シェア93.9%、J2が661億円、同4.0%、J3が341億円、同2.1%、合計売上は1兆6322億円、前年比0.4%増となる。
その第1の特色は1000億円を超える4社の突出ぶりで、それらは集英社、講談社、KADOKAWA、小学館である。
第2の特色は日本の出版社の零細性で、5億円以下は254社、50.7%を占める。しかもJ3の従業員数は150社のうちの129社が10人以下で、独自の専門性にもかかわらず、その零細性を浮かび上がらせている。
第3の特色は利益の脆弱性で、J1は7割強が利益を出しているが、J2、J3の中小出版社の大半は利益が上がっておらず、売上も減少している。
21年のトータルでの0.4%増も上位出版社の電子出版、版権ビジネス、新たなマーケット開発によるものである。
「note」のブログ『20年間勤めた講談社を退職しました。』が面白い。詳しい内容は省き、以下、冒頭と最後を転載させてもらう。この経緯と退職・転職理由に大いに納得した。
《はじめまして、ムラマツと申します。2022年末をもちまして株式会社 講談社を退職することとなりました。2002年に講談社に入社して、週マガ→ライバル→ヤンマガ→コミックDAYS立ち上げ→モーニング…とマンガ編集畑だけを20年にわたり歩んできましたが、2023年1月からはサイバーエージェント社に入社し、CyberZ社の「Studio ZOON」でWEBTOONをがんばろうと思います。》
《最後に。日本のWEBTOONは慢性的なクリエイター不足です。先に「質でも量でも中韓に比べて日本は2歩ほど遅れている」と書きましたが、日本のマンガ界の異常な厚みを考えると全体の5%も参加すれば追いつけると思ってます。》
大田丸は、このほど、加盟書店11法人・126店舗による年間ランキングを初めて公開した。その「2022年 年間ベストセラー」の「総合」トップ3は、和田秀樹『80歳の壁』(販売部数=1万3309冊、幻冬舎)、永松茂久『人は話し方が9割』(1万0718冊、すばる舎)、厚切りジェイソン『ジェイソン流お金の増やし方』(9897冊、ぴあ)。集計期間は昨年12月1日から今年11月30日まで。
ニューズウィークのサイトに『クールジャパン機構失敗の考察……日本のアニメも漫画も、何も知らない「官」の傲慢』(古谷経衝)という記事が掲載された。読んで、いちいち納得し、絶望的な気分になった。
記事は、クールジャパン機構を推進してきた官僚たちが、いかに日本の文化、伝統、そして漫画やアニメなどのコンテンツに無知で、「日本はすごい」と単純に過信してきたために、徹底して失敗したことを糾弾している。
私はこれまで、このことを何度も記事にし、本にも書いた。マレーシア・クアラルンプールの「ISETAN The Japan Store」に行けば、誰もがそう思うはずだ。なぜ、こんな馬鹿げたストアをつくったのか、本当に気が知れない。
https://www.newsweekjapan.jp/furuya/2022/12/post-32.php
古谷氏は、記事のなかで、こう書いている。
《私が知る限り日本における政治家のほとんどすべてがそうである。日本のアニメ、漫画は世界中でファンを獲得している、クールジャパンこそが日本における数少ない輸出コンテンツだ、成長戦略の中核である、云々。猫も杓子も政治家はこのようにいう。しかし彼らは、自らが称揚するこういった日本のカルチャーにまったく触れている形跡がない。》
《要するに彼らは、日本人であり日本社会で生きながら、漫画やアニメといったコンテンツ自体に触れていない。》
《要するに彼らはクールジャパン~と言っておきながら、その中核をなすアニメ・漫画を観るのも読むのも億劫だし、ゲームをプレイする意欲もないし、そもそも関心がないのである。》
これは、以前から私が思っていたこととまったく同じだ。
つまり、何も知らないのに、単にカネをつぎ込んだだけというのがクールジャパンで、なんとすでに309億円も税金をすってしまったのである。
最後に古谷氏は、こう書く。
《これを教訓に二度と類似組織を作るべきではなく、アニメも漫画もゲームも、政府は放っておいて二度と介入しないでいただきたい。》
まさに、その通りだ。