21/01/27●コロナ禍が好影響、出版物販売額が前年を上回る。電子出版は約30%増

21/01/27●コロナ禍が好影響、出版物販売額が前年を上回る。電子出版は約30%増

●コロナ禍が好影響、出版物販売額が前年を上回る。電子出版は約30%増

 1月26日、NHKニュースが次のような報道をした。

《去年1年間の出版物の推定販売額は、コロナ禍で本の需要が高まったことなどから電子出版が前の年と比べて30%近く増加し、紙の出版と合わせた市場全体でも2年連続で前の年を上回りました。出版業界の調査や研究を行う出版科学研究所のまとめによりますと、去年1年間の出版物の推定販売額は、紙と電子の合計で前の年より4.8%多い1兆6168億円と、2年連続で前の年を上回りました。》

  まさに、コロナ禍が出版不況を吹き飛ばしたような報道だが、延びたのは電子出版だけ。その売り上げは、3931億円と前の年を28.0%上回る大幅な伸びとなった。ただ、電子出版の9割はコミックスで、コミックスは前年より31.9%増えて3420億円を記録した。そして、この売り上げ増を招いたのは、ひとえに「鬼滅の刃」の爆発的なヒットである。

 つまり、出版不況は依然として続いており、紙は年ごとに減っている。たとえば、雑誌の売り上げは、発売中止や休刊などによって大幅に落ち込み、前年より1.0%少ない1兆2237億円となった。

 ところが、NHKニュースは、こう結んでいる。
《出版科学研究所は「今後の推移を見ていく必要があるが、長引く出版不況が好転する兆しを示す結果となった」としています》

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