22/01/03●書籍販売の「コロナ特需」が終わりに

22/01/03●書籍販売の「コロナ特需」が終わりに

 産経新聞(1月3日)が、「街の書店、コロナ特需に陰り SNSとの相乗効果カギ」という記事を出した。記事によると、「コロナ禍の巣ごもり消費で息を吹き返した街の書店の好調ぶりに、陰りが出ている」とし、その理由として「リモートワーク関連書の需要が一段落」「国内旅行やイベントなど別の娯楽に人々の目が向き始めた」などを挙げている。

 しかし、特需と言ってもそれほどのことでなく、本の売り上げは年々落ち込んでいる。雑誌にいたっては、もうほとんど売れない状況になっている。「巣ごもり特需」と言っても、去年は『鬼滅の刃』が爆発的にヒットしただけのことだ。

 記事の終わりは、「TikTok」によって筒井康隆の既刊文庫「残像に口紅を」が、10~20代の読者を掘り起こして増刷されたことで締めているが、これとてたまたまの話にすぎない。

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