東京・赤坂の「文教堂書店赤坂店」が、ビル建て替えのため6月17日で閉店。その前日、朝日新聞が嘆きの記事を出した。文教堂の閉店で、赤坂駅周辺の書店は実質“全滅”となり、利用者からは「非常に残念」といった声があがっているというのだ。
「書店の減少が止まらない中、赤坂からもなくなってしまうことの寂しさとショックは大きかったですね」
と、赤坂店を担当する文教堂運営本部のエリアマネジャー、富田利之さん(52)は、朝日記事のなかで語っている。
2021年3月に老舗の金松堂書店、22年1月にTSUTAYA赤坂店がそれぞれ閉店。周辺の書店は選書専門店「双子のライオン堂」を残すのみとなってしまった。
しかし、感傷的になっても仕方ない。書店消滅はすべてがデジタル化、オンライン化される時代の流れであり、それにコロナ禍が追い討ちをかけたと言える。
コロナ禍は、書店よりも飲食店に大きな打撃を与えた。赤坂近辺を歩けば、多くの飲食店が営業停止になっていることに気がつく。
赤坂に限らず、都内の一等地では、小売ビジネスが窮地に陥っている。書店もそうだが、飲食やそのほかの小売業も高額賃貸料を負担できなくなくなっている。
現在、生き残っている書店は、大別して2種類だ。一つは、在庫リスクを負わないよう取次から言われるまま本を仕入れている書店と、在庫リスクを負っても店主が自分の店に置きたい本を出版社から直接仕入れる独立系の書店だ。
文教堂は前者で、赤坂店はコロナ禍で売り上げが半分に落ちたという。今後、こうした書店はネット販売のショールームとして生き残っていくしか道はないのではないだろうか。
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