月別アーカイブ 2024年2月26日

24/02/26●2023年コミック市場は6937億円 前年比2.5%過去最大

 出版科学研究所は2月26日、2023年のコミック市場規模を発表した。紙+電子市場(推定販売金額)は前年比2.6%増の6937億円で、6年連続の成長、過去最大を更新した。

 紙のコミックス(単行本)は1610億円(同8.2%減)、コミック誌は467億円(同7.4%減)で、合計2107億円(同8.0%)となった。紙のコミックス(単行本)はコロナ禍の2020年と2021年に大きく伸長したが、2022年には沈静化、2023年はコロナ禍前の2019年を下回った。紙のコミックス(単行本)、コミック誌は減少が続いている。

 一方、電子コミックは4830億円(同7.8%増)で、コミック市場全体における電子の占有率は69.6%と約7割になった。映像化などにより紙でもヒットした作品だけでなく、ストア独占や先行配信作品の強化、電子オリジナル作品、縦スクロールコミックの好調さが市場を底上げしている。

24/02/09●ドラマ『セクシー田中さん』問題で、小学館の編集者一同が声明を発表

 ドラマ「セクシー田中さん」(日本テレビ系)の原作者、芦原妃名子さん(享年50)が急死(自殺)した問題で8日、出版元の小学館と同社第一コミック局の編集者一同がそれぞれコメントを発表した。
 原作が映像化により、原作と大幅に違ったものになる。それはよくあることだが、今回は、その過程で原作者と制作側、脚本家の間に、認識の違い、コミュニュケーション不足などがあり、不幸を招いてしまった。この問題をめぐっては、漫画家や有名人がSNSで様々なコメントを出し、大きな社会問題になっていた。
 日テレと小学館のコメントが、とって付けたような言い訳だったため、問題は大きくなっていた。
 そこに、とうとう編集者一同の声明。その内容は、声をあげることが遅れたことを謝罪しつつ、最後に「どうしてもどうしても、私たちにも寂しいと言わせてください。寂しいです、先生」という追悼。
 これはない。「寂しいです、先生」ではなく、「ごめんなさい、先生」ではないだろうか?
今回、小学館の編集者、映像営業担当者、テレビ局の製作サイド、脚本家の誰一人として、原作者がつくった世界観、原作者の思いを無視したとしか言いようがない。

24/02/01●2023年の出版物推定販売金額はかろうじて1兆円を上回る

 このほど、2023年の出版物推定販売金額が公表された。その額は、1兆0,612億円。かろうじて1兆円を上回ったものの、ピーク時の1996年の2兆6564億円と比べると、実質的に3分の1になってしまっている。
もはや出版不況と言うレベルの話ではなく、紙による情報、文化事業は、特殊なものを除いて成り立たないとみていいだろう。このまま行けば、2024年は1兆円割れは確実だ。
 月刊誌、週刊誌から新書まで、休刊は今年も加速するだろう。もちろん、コミック誌も軒並み部数を落としている。100万部を超えるのは『週刊少年ジャンプ』だジェで117万部。ほかは、『週刊少年マガジン』37万部、『週刊少年サンデー』16万部、『ビッグコミック』16万部といった具合だ。漫画は紙でなくアプリで読む時代に完全に移行した。
 さらに、書店も今年も、次々に閉店していくに違いない。