コロナ禍とデジタル化は、出版ビジネスを徹底徹底的に追い込んだ。5月19日、東京地裁の特別清算開始命令が、(株)ダイヤモンド・ビッグ社に下った。
同社は、ダイヤモンド社の子会社として、旅行ガイドブックの編集・出版の受託制作を手がけ、『地球の歩き方』などを発行してきたが、出版不況下で新型コロナウイルス感染拡大に伴う渡航制限の影響もあり、赤字に転落していた。そのため、2021年1月に、出版事業を学研グループに承継され、2023年3月31日に株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。
2001年9月期には年売上高約112億6500万円を計上していたが、2020年3月期の年売上高は約28億8500万円に落ち込んでいた。
もう一社、マキノ出版も終焉を迎えた。同社は、5月29日、民事再生手続廃止決定と保全管理命令を受けた。今後、破産手続きに移行する。負債総額は15億7217万円と発表された。
マキノ出版の看板雑誌は「壮快」、「安心」。これを中心に健康、美容など扱うムック、書籍等の出版を手掛け、シニア層の読者を獲得していたが、デジタル化とコロナ禍で一気に業績が悪化した。最盛期は1996年2月期で、売上高約38億5400万円を記録していた。
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