2024年1月24日にKADOKAWAから発売される予定だった『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』(著・アビゲイル・シュライアー/監修・岩波明/訳・村山美雪、高橋知子、寺尾まち子)が発売中止になった。発売告知後、日本語タイトルやキャッチコピーがトランスジェンダーに対する偏見や差別を煽るものであると問題視されたことが原因。とはいえ、アメリカでは物議を醸しながら発売されているので、KADOKAWAの措置は過剰反応だろう。
SNSで抗議されただけで、取次や大手書店を巻き込むような騒動になったわけではない。一般には、そんな本が出ることなどほとんど知られていなかった。この程度で、すでに出来上がっている本の出版を中止するのは、言論の自由に守られた出版社がやることではない。