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22/01/18●英BBCが受信料制度を見直し。NHKにも波及の可能性が!

 英国のドリース・デジタル・文化・メディア・スポーツ相は、17日、下院での演説で、公共放送BBCの受信料(ライセンス料)制度を見直すと表明した。

「技術の変化とともに、とくに若い世代の視聴者の間で習慣も変化している」と指摘。BBCの長期的な資金調達の在り方、罰則規定を伴う受信料支払い義務について「適切かどうかをいまこそ真剣に問うべきときだ」と述べた。
[ロイター電]
https://jp.reuters.com/article/britain-bbc-idJPKBN2JS085


 BBCの受信料をめぐる動きは以前から話題となっていた。すでに英国政府は、BBCの受信料制度を廃止し、希望者のみが視聴料を払う「サブスクリプション」の導入を視野に入れていると報じられてきた。
 BBCの予算の約75%は受信料収入で、残りは商業活動や交付金。受信料の支払い世帯は約2620万で、支払い率は90%以上とされている。サブスクリプション制度が導入されれば、この構造を大きく変わる。
 世界の公共放送のモデルとなったBBCのこの動きは、今後、日本のNHKにも大きな影響を与えるのは間違いない。すでに、動画配信を行っているNHKに対し、受信料を廃止してサブスクリプション制度に移行すべきという議論がある。ネット時代のいま、こちらのほうが時代に即しているし、経済合理性があるうえ、なによりもフェアだ。
 ところが、日本政府とNHKは、この動きをかたくなに拒否してきた。
 昨年、12月2日、NHK受信料に関しての裁判で、耳を疑うような判決が出た。NHKの放送を視聴できないように加工したテレビを自宅に設置した東京都の女性が、受信契約を締結する義務がないことの確認を求めた訴訟で、逆転敗訴したのだ。
 放送法64条は「NHKの放送を受信することができる受信設備(テレビ)を設置した者は、NHKと受信契約をしなければならない」と規定している。ところが、判決はこの条文を無視し、「NHKが映らないテレビでも受信料を払え」としてしまったのである。
 なにもかも、時代遅れで、途上国に向かって転落していく日本。いったい、どうすれば止まるのだろう。

22/01/14●テレビ現場の最下層「AD」の呼称がなくなる

「AD」とは「アシスタントディレクター」のことで、テレビの制作現場では一番下のポジションで働く雑用係の代名詞。家にも帰れず、局に寝泊まりするなど長時間労働は当たり前。時には危険なこともさせられる〝3K仕事〟労働者。

 しかし、最近の「働き方改革」により、ADと呼ぶのをやめようという流れになっていると、「東スポ」が伝えている。その代表的なのは日本テレビで、「AD」(エーディー)とは呼ばず、「若手ディレクター」、略してYD(ヤングディレクター)と呼ぶことになったとか。また、「SD」(サブディレクター)などという呼び方もでてきているという。

 しかし、どうもあまり代わり映えしない。呼び方は変わっても、仕事内容はあまり変わっていないようだ。

22/01/13●NHK字幕問題「映画関係者や視聴者に本当に申し訳ない」と前田会長が陳謝

 2021年12月に放送されたNHK・BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」に不確かな字幕があった問題で、NHKの前田晃伸会長は13日に開かれた定例記者会見で「映画関係者や視聴者に本当に申し訳ない。チェック機能が十分働かなかったのが一番大きな問題だ。非常にお粗末だと思う」と陳謝した。制作したNHK大阪放送局の角(かど)英夫局長も定例記者会見で「真実に迫る姿勢を欠いていたと言わざるを得ない。あの字幕は入れるべきではなかった」と述べて陳謝した。

 放送後から問題になっていたのは、五輪開催中、河瀬さんから依頼を受けた映画監督の島田角栄さんが競技場の外で出会った男性にインタビューする場面。NHKはその様子を撮影・編集し、男性の顔にぼかしを入れた上で、「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」と字幕を付けて放送した。これは、明らかに五輪反対デモに対する歪曲(捏造)報道で、陳謝で済むような問題ではない。また、事実誤認として片付けるような問題ではない。

 しかし、なぜこうしたことが行われたのかに関しては、今後も解明されないだろう。解明されたら、NHKは報道機関ではなくなってしまう。

22/01/10●「HON.jp」による「2022年出版関連の動向予想」のポイントメモ

「HON.jp」編集長の鷹野凌氏による、今年の出版界の動向予想が出た。本当に参考になるので、以下、ポイントを引用させてもらう。
→ https://hon.jp/news/1.0/0/32010

政治的環境(Political / 立法・行政・司法)

東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定発効(2022年1月1日)
改正個人情報保護法全面施行(2022年4月1日)
国際海賊版対策機構(IAPO)設立(2022年4月)
第26回参議院議員通常選挙(2022年7月)
日本政府によるデジタル広告規制の強化(2022年半ば?)
各国政府による巨大IT企業への規制強化傾向
各国政府による表現規制の強化傾向
アメリカが抜けたTPP11(CPTPP)に中国・韓国・台湾などが加盟申請
アメリカと中国の対立傾向と日中韓の関係冷え込み

経済的環境(Economic / 主に企業の動向)

インボイス(適格請求書)制度開始(2023年10月1日)
コロナ禍で巣ごもり需要拡大
伝統的なメディア市場(とくに新聞と雑誌)の縮小傾向
サブスクリプション(定期購読)の拡大傾向
電子出版市場(とくにマンガ)の拡大傾向
デジタル含む同人市場(というかクリエイターエコノミー)の拡大傾向
巨大IT企業などによる表現(広告含む)の自主規制強化
インターネット広告市場は再成長?

社会的環境(Social / 文化・教育・ライフスタイルなど)

高校「情報Ⅰ」必修科目化(2022年4月1日〜)
成人が18歳に(2022年4月1日〜)
国立国会図書館、入手困難資料の個人送信開始(2022年5月~)
文化庁、京都移転(2022年度末〜2023年度初頭?)
図書館資料メール送信対応と補償金制度開始(2023年5月~)
まだ終わらないコロナ禍と感染予防のための“遠隔化”
少子高齢化と生産年齢人口、日本語人口の減少傾向

技術的環境(Technological)

「Internet Explorer 11」サポート終了(2022年6月15日)
「Windows 8.1」延長サポート終了(2023年1月10日)
「Office 2013」延長サポート終了(2023年4月11日)
「Google Chrome」サードパーティーCookieのサポート完全廃止(2023年後半?)
EPUB 3.3 / EPUB Accessibility 1.1がW3C標準仕様に(2023年︖)
第5世代移動通信システム(5G)のさらなる普及
コンテンツ関連のAI技術が普及期へ
暗号資産やNFT(ブロックチェーン技術)への注目と猜疑
VR / AR技術の活用(メタバース)

2022年には何が起こる?
 これらを踏まえた上で、2022年にはどんなことが起こるか、予想してみました。以下の5点です。
メディアビジネスの転換を進めよう(提案)
埋もれていた名著の再発見と復刻が進む
縦読み含めメディアミックス展開が拡大する
電子図書館の普及でコンテンツ供給が急増する
映像を活用したマーケティング活動が広がる

22/01/03●書籍販売の「コロナ特需」が終わりに

 産経新聞(1月3日)が、「街の書店、コロナ特需に陰り SNSとの相乗効果カギ」という記事を出した。記事によると、「コロナ禍の巣ごもり消費で息を吹き返した街の書店の好調ぶりに、陰りが出ている」とし、その理由として「リモートワーク関連書の需要が一段落」「国内旅行やイベントなど別の娯楽に人々の目が向き始めた」などを挙げている。

 しかし、特需と言ってもそれほどのことでなく、本の売り上げは年々落ち込んでいる。雑誌にいたっては、もうほとんど売れない状況になっている。「巣ごもり特需」と言っても、去年は『鬼滅の刃』が爆発的にヒットしただけのことだ。

 記事の終わりは、「TikTok」によって筒井康隆の既刊文庫「残像に口紅を」が、10~20代の読者を掘り起こして増刷されたことで締めているが、これとてたまたまの話にすぎない。

21/12/18●「TikTok売れ」で過去の小説が再ヒット11万部増刷!

 TikTokで紹介されたモノが売れる現象「TikTok売れ」で、過去に発表された小説が再びヒットするケースが相次ぎ、NHKも報道で取り上げた。

 いちばん売れたというのが、筒井康隆が1989年に発表した小説『残像に口紅を』。TikTokで紹介されたことをきっかけに話題となり、今年の7月以降、11万部余りも増刷したという。紹介したのは人気のクリエイター、けんごさん(23)。紹介した動画の再生回数は、2021年12月現在、890万回にも上った。

 けんごさんのインフルエンサーぶりはすごく、出版社と組んでけんごさんみずからが選ぶ「けんご大賞」が設立された。選考委員は、けんごさん1人で、最初の「ベストオブけんご大賞」は綾崎隼の『死にたがりの君に贈る物語』が選ばれた。

 TikTokが本との“セレンディピティ”(偶発的な出会い)を提供することは、ついこの前までわからなかったことで、これをきっかに読書の習慣が薄れてしまった若者に読書の機会が増えることが期待される。

21/12/06●女性誌のデジタルシフトによる再起は成功するか?

 「東洋経済」が、激動の出版として、『「JJ」が月刊の発行を終了、「ミセス」は休刊に 名門女性誌、「デジタルで再起」シナリオの可能性』という記事を掲載している。

 記事では、休刊や廃刊が相次ぐなかで、女性誌が苦悩してデジタルシフトし、SNS媒体になっていこうとしている状況が描かれている。そのなかで、「JJ people」が取り上げられているが、私に言わせればトゥーレイトだ。古巣だけにはっきり言うが、ウェブへのシフトは10年以上前から提案されていた。しかし、上層部が理解できず無視され続けてきた。

 それが、いまになって女性誌のブランドそのままでウエブ媒体になろうというのだから、あきれるしかない。いくらやってもインスタにかなわないだろう。悪あがきはやめて、さっさと新しいウェブ媒体をつくったほうがいい。

https://premium.toyokeizai.net/articles/-/28936?

21/12/02●巣ごもり需要消滅、出版販売額10月前年比8.7%減で通年マイナスが確定

 ABCによると、2021年10月の書籍雑誌推定販売金額は914億円で、前年比8.7%減となった。内訳は、書籍514億円で同4.1%減、雑誌399億円で同14.0%減。雑誌の落ち込みがとくに大きい。その内訳は月刊誌332億円で同13.1%減、週刊誌67億円で同18.2%減。もはや、週刊誌は成り立たなくなったと見ていいだろう。

 返品率は書籍が32.8%、雑誌は43.9%で、月刊誌は43.4%、週刊誌46.3%。

 出版市場の縮小が、コロナによる「巣ごもり」需要で一時的に落ち着いた感があったが、もはやそれも消滅。この10月期をふまえて2021年度の累計は1兆93億円、前年比0.4%減とマイナスに転じたので、2021年通年での出版販売額もマイナスが確実になった。

21/11/24●取次大手2社「トーハン」「日販」の決算、増収に

 11月24日、トーハンは、連結中間決算(2021.4.1~同9.30)の概要を発表した。それによると、売上高は2130億4100万円(前年同期比9.6%増)、営業利益は11億2600万円(同43.7%減)、経常利益は11億1900万円(同2.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は4億7800万円(同52.8%減)で、増収減益となった。5月に帳合書店となった丸善ジュンク堂書店が売上げを押し上げたほか、人件費を含む一般管理費の削減、出版社からの運賃協力金の増加などが、増収に貢献した。

 一方、同日発表された日販グループホールディンス子会社35社の連結中間決算の概要は、売上高2463億9900万円(前年比1.5%増)、営業利益16億4500万円(同17.4%増)、経常利益19億6900万円(同32.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益9億8200万円(同236.1%増)で、8事業のうち6事業で増収。なかでも、日販が単体で黒字転換したことで大幅な増益となった。

 取次大手の決算が好調に推移した背景には、コロナ禍による「巣ごもり需要」がある。

21/11/07●女性誌『Mart』、来年から月刊誌から季刊誌に

 もはや女性誌は、その役割を終えたと言っていい、このほど、光文社は月刊の女性誌『Mart』を2022年2月号(12月25日発売)をもって終了すると発表した。ただ、刊行は続け、来年からは季刊誌に変更するという。『Mart』は、2004年10月に創刊。
 女性ファッション誌というより主婦のライフスタイル誌として、主に、食、インテリア、アート、旅などをテーマに、「ランチ会」や「食べるラー油」など注目のキーワード、商品を紹介してきた。しかし、こうした情報はほぼウエブに移行し、情報交換もSNSに移行したため、近年は部数減、広告出稿減が続いてきた。