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20/09/21●コロナ禍のなかで「ブックオフ」が業績好調

●コロナ禍のなかで「ブックオフ」が業績好調

 9月20日の「毎日新聞」が、『コロナでも業績回復「ブックオフ」が好調な理由とは』という記事を掲載したので、さっそく読んでみると、本やゲームの巣ごもり需要だけでなく、コロナ前から進めてきた店舗やオンライン戦略が奏功していているのだという。

 以下、記事から引用する。

《感染拡大で全国で一時は約250店舗が臨時休業し、ブックオフグループホールディングス(HD)の4~6月期の既存店売上高は前年同期比22%減となった。だが、6月に多くの店舗で営業を再開したところ、業績は急回復し、8月まで3カ月連続で前年実績を2~3%上回っている。》

https://mainichi.jp/premier/business/articles/20200916/biz/00m/020/014000c

 というわけで、よくよく読むと前年実績を2~3%上ということだが、コロナ禍で前年比2~3%上ということは、やはりすごいことなのだろう。そういえば私は、コロナ禍になってから、読書量がグンと増え、ブックオフで古書は買いだめし、新刊はアマゾンでオンラインゲットするようになった。

20/09/05●アマゾンの「星1つ」やらせ投稿で依頼者に罰金20万円

●アマゾンの「星1つ」やらせ投稿で依頼者に罰金20万円

 4日の朝日新聞によると、アマゾンのレビュー欄に、「星1つ」の“やらせ投稿”をさせて、競合他社の商品の信用を傷つけたとして、福岡簡裁が信用毀損罪で、依頼した別の会社の男性役員に罰金20万円の略式命令を出したという。

 商品はサプリメントで「一粒が大きくて飲みにくかった」などとレビューされ、最低の「星1つ」評価が下されていた。これが1週間で2商品に9件も続いたので、不審に思った販売元の男性社長が調査して、投稿者と依頼主を特定し、福岡県警に被害届を出した。

 記事によると、男性社長は投稿者と依頼主を「苦労の末特定」とあるが、どのようにして特定できたのか気になる。また、投稿者が「請け負ったのは高評価をつける投稿ばかり」「低評価の投稿を依頼されたのは初めて」と言っていることも気になる。

 本件はたまたま事件化、判決が出たが、いまもアマゾンでは「星5つ」と「星1つ」の“やらせ投稿”が氾濫している。

20/09/03●フェイスブックが偽装メディアを削除。編集長はAIが作成したフェイク

●フェイスブックが偽装メディアを削除。編集長はAIが作成したフェイク

 フェイスブックとツイッターが、9月1日、メディアを偽装したロシアの「フェイクニュース工場」が、大統領選への介入工作をしていたとして、ページやアカウント削除などの対策を取ったと発表した。

 削除したページは、ロシアのインターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)による過去の活動に関与した人物たちにつながっていたという。IRAというのは、「プーチンの料理人」の異名を持つロシアの実業家、エフゲニー・プリゴジン氏の傘下企業。

 これらの偽装メディアは、AIがアルゴリズムによる自動生成顔写真によって編集長や編集部員をつくり出し、信頼性を演出していた。また、驚くべきことに、若手からベテランまで、実在のジャーナリストたちに記事を書かせていた。その1人が「NYタイムズ」に語ったところによると、記事は1本75ドルで、テーマは指定されず、原稿が添削されることもほとんどなかったそうだ。このライターが書いたのは、ジョー・バイデンに対する批判的な記事。

 いまや、ネットにあるメディアのほとんどが信用できない。

20/08/26●集英社が記録的黒字決算、当期純利益200億円超に

●集英社が記録的黒字決算、当期純利益200億円超に

 集英社は、8月25日、株主総会と取締役会を行い、第79期(2019.6.1~2020.5.31)決算を発表した。売上高は1529億0400万円で前年比14.7%増、当期純利益は209億4000万円で同112.0%増。前年度の当期純利益が98億7700万円だったので約2倍である。ちなみに、これは前々年度の約4倍増だったから、集英社はこの2年間で純利益を、なんと8倍にしたことになる。

 『鬼滅の刃』の大ヒットなど、コミックスの絶好調が大きく影響している。

20/07/30●上半期の出版市場、まさかの2.6%増!コロナ禍の影響か?

●上半期の出版市場、まさかの2.6%増!コロナ禍の影響か?

 出版科学研究所が「出版月報」7月号で発表した2020年上半期の紙版と電子版を合わせた推定販売金額は、まさかの前年同期比2.6%増の7945億円でプラス成長。コロナ禍が、出版市場の落ち込みをストップさせたとしか思えない結果になった。

 その内訳は、紙版の推定販売金額が6183億円(同2.9%減)で、電子版が1762億円(同28.4%増)。

 紙版の内訳は、「書籍」が3517億円(同3.0%減)で、「雑誌」が2667億円(同2.9%減)。電子版の内訳は、「電子コミック」が1511億円(同33.4%増)、「電子書籍」が191億円(同15.1%増)、「電子雑誌」が60億円(同17.8%減)。電子版の占有率は22.2%と2割を超え、出版市場はもはや電子のみが拡大していく構造になっている。

20/07/18●BBCとガーディアンがコロナ禍でリストラ。日本のメディアは大丈夫なのか?

●BBCとガーディアンがコロナ禍でリストラ。日本のメディアは大丈夫なのか?

 英国のメディア大手、BBCとガーディアンが、新型ウィルスのパンデミックによる経営悪化で、大幅な人員削減に踏み切ることになった。BBCはニュース部門の70人を削減。今年初めには450人を削減していただけに、コロナ禍が追い討ちをかけている。

 一方のガーディアン紙は、編集・営業の両部門で180人近くを削減すると、15日に表明した。

 こうしたメディアのリストラの動きは、英国ばかりか全世界に及んでいる。

 日本はまだ持ちこたえているが、すでに広告費はあらゆるメディアで減少しており、新聞、出版の紙メディアばかりか、テレビ、ネットメディアも直撃している。

 ニューノーマル時代になったので、コロナ禍が長引こうと長引くまいと、もはや市場が元に戻ることはない。日本の場合、独特の商習慣があるから、世界から半年遅れで、コロナの影響が出るだろう。出版社からネットメディアまで、今年後半からはリストラ、倒産ラッシュになるだろう。

20/06/30●コロナ禍のなか奇妙な5月の書籍売上増

●コロナ禍のなか奇妙な5月の書籍売上増

 5月の書籍雑誌推定販売金額が発表された。その額は770億円で、なんと前年比1.9%増。内訳は、書籍が423億円で9.1%増。雑誌は346億円で5.7%減である。雑誌の内訳は、月刊誌が286億円で1.5%減、週刊誌は59億円で22.0%減。返品率は、書籍が36.5%、雑誌は46.2%で、月刊誌は46.6%、週刊誌は44.0%となっている。
 コロナ禍のさなかでこの数字というのは、どう見てもおかしい。ほぼ全業種が売上を落としているなか、書籍だけが増などとありえるはずがない。

 その理由はただ一つ。休業した書店が多く、返品が激減したからだろう。となると、6月以後の返品がどうなるか。業界は、戦々恐々だ。

20/06/19●言論の危機か?「NYタイムズ」の論説主幹が退任で波紋が広がる。抗議デモを巡る対応

●言論の危機か?「NYタイムズ」の論説主幹が退任で波紋が広がる。抗議デモを巡る対応

 やはり、「NYタイムズ」は完全なリベラル紙で、職員の力が強すぎる。今回の「抗議デモ」の全米での広がりを受けて、共和党のトム・コットン米上院議員の「軍隊を派遣せよ」という寄稿を掲載したところ、社内から非難の声が噴出。職員約250人が事実上のストまで行なった。

 標的は、寄稿掲載の責任者、ジェームズ・ベネット論説欄担当編集長。発行人のアーサー・グレッグ・サルツバーガー社主は、「多様な見解を受け入れる」として、ベネット編集長を擁護したが、最終的に、6月7日、彼は退任させられた。

 同じようなことは、ペンシルベニア州の有力紙フィラデルフィア・インクワイアラーでも起こり、「ブラック・ライブズ・マター」にひっかけて「ビルディングス・マター・トゥー(建物も大事)」という記事を掲載すると、44人の記者が経営陣に抗議書簡を送り、責任者は退任した。

 多くのアメリカのメディアはリベラル色が強く、なかにはほぼ左翼メディアと言えるものもある。こうした動きは、じつはジャーナリズム、言論の危機だ。「ボストンヘラルド」紙は、「過激な進歩主義イデオロギーの伝道者によって報道の自由が圧倒されるのは危険だ」と警鐘。「ウォールストリート・ジャーナル」紙は、異論を封じる勢力がジャーナリズムを支配しつつあるとし、「NYタイムズや他のリベラル系メディアが乗っ取られたことは、かつて米国のリベラリズムを規定した自由な研究とアイデアの競争を擁護する機関がさらに少なくなったことを意味する」と書いた。

20/06/16●「週刊文春」今週号が完売。なぜ、文春以外スクープ、スキャンダル報道がなくなったのか?

●「週刊文春」今週号が完売。なぜ、文春以外スクープ、スキャンダル報道がなくなったのか?

 「週刊文春」(6月18日号(同11日発売)が、発売と同時に完売になったことがわかった。今週号は3本の強力な「文春砲」記事がそろい、各方面で大反響。「ウソの女帝 小池百合子と同居男『疑惑の錬金術』」「佐々木希、逆上・渡部建『テイクアウト不倫』」「経産省最高幹部と幽霊法人電通社員・テキサス〝癒着〟旅行」の3本。

 「文春」の完売は、3月26日号(同18日発売)、5月28日号(同21日発売)に続き、今年で3回目という。まさに、タイムリーなスクープ、スキャンダルに関しては、文春の1人勝ち。ほかのメディアの追随を許さない。なぜ、こんなことになってしまったのか?

 答えは簡単。他メディアは、いくら情報があっても(タレコミを含め)、権力側からの圧力やトラブルを恐れて握り潰すか、あるいは、ハナから調査もしないからだ。つまり、発表もの報道、垂れ流し報道ばかりで、ジャーナリズム機能を失ってしまったからだ。