●コロナ禍のなか奇妙な5月の書籍売上増
5月の書籍雑誌推定販売金額が発表された。その額は770億円で、なんと前年比1.9%増。内訳は、書籍が423億円で9.1%増。雑誌は346億円で5.7%減である。雑誌の内訳は、月刊誌が286億円で1.5%減、週刊誌は59億円で22.0%減。返品率は、書籍が36.5%、雑誌は46.2%で、月刊誌は46.6%、週刊誌は44.0%となっている。
コロナ禍のさなかでこの数字というのは、どう見てもおかしい。ほぼ全業種が売上を落としているなか、書籍だけが増などとありえるはずがない。
その理由はただ一つ。休業した書店が多く、返品が激減したからだろう。となると、6月以後の返品がどうなるか。業界は、戦々恐々だ。
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