TikTokで紹介されたモノが売れる現象「TikTok売れ」で、過去に発表された小説が再びヒットするケースが相次ぎ、NHKも報道で取り上げた。
いちばん売れたというのが、筒井康隆が1989年に発表した小説『残像に口紅を』。TikTokで紹介されたことをきっかけに話題となり、今年の7月以降、11万部余りも増刷したという。紹介したのは人気のクリエイター、けんごさん(23)。紹介した動画の再生回数は、2021年12月現在、890万回にも上った。
けんごさんのインフルエンサーぶりはすごく、出版社と組んでけんごさんみずからが選ぶ「けんご大賞」が設立された。選考委員は、けんごさん1人で、最初の「ベストオブけんご大賞」は綾崎隼の『死にたがりの君に贈る物語』が選ばれた。
TikTokが本との“セレンディピティ”(偶発的な出会い)を提供することは、ついこの前までわからなかったことで、これをきっかに読書の習慣が薄れてしまった若者に読書の機会が増えることが期待される。
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