[出版状況クロニクル176(2022年12月1日~12月31日)]に、『ノセ事務所より、2021年の「出版社実態調査」が届いた。今回は501社の出版社の実績が掲載レポートされ、それは次の3ランクに分類されている。』という記事があり、興味深い。以下、引用してみたい。
J1出版社 10億円以上売上 247社
J2出版社 5億~10億円売上 104社
J3出版社 1億~5億円売上 150社
それぞれの売上高はJ1が1兆5320億円、シェア93.9%、J2が661億円、同4.0%、J3が341億円、同2.1%、合計売上は1兆6322億円、前年比0.4%増となる。
その第1の特色は1000億円を超える4社の突出ぶりで、それらは集英社、講談社、KADOKAWA、小学館である。
第2の特色は日本の出版社の零細性で、5億円以下は254社、50.7%を占める。しかもJ3の従業員数は150社のうちの129社が10人以下で、独自の専門性にもかかわらず、その零細性を浮かび上がらせている。
第3の特色は利益の脆弱性で、J1は7割強が利益を出しているが、J2、J3の中小出版社の大半は利益が上がっておらず、売上も減少している。
21年のトータルでの0.4%増も上位出版社の電子出版、版権ビジネス、新たなマーケット開発によるものである。